ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第117話

三百十九頁目

 

 流石に夜眠るときには、万が一にも寝相でアルケー君を押しつぶさないためにか親元のタヴィちゃんの元へ戻してきた。

 尤もかなり甘えていたようで、フローラが戻ってくるのは結構遅かったうえに何やら服やら髪の毛やらが乱れていた。

 たくさん嘴で突かれて文字通り食らいつかれたようで、可愛い半面離れるのが心苦しかったと語るフローラ……服のはだけ方があれで、ちょっとドキッとしてしまったのは内緒だ。

 

 しかもフローラは、一階の居住区にはちゃんとお互いに眠る用の簡易ベッドがあるのに、わざわざ俺の布団の中に潜り込んでくるから余計に興奮しそうになる。

 それでも理性を総動員して何とか腕枕だけして目を閉じた自分を褒めてあげたい……見えなくなったせいでフローラの身体から漂う女性特有の体臭を逆に意識してしまいよけい興奮しそうになってしまったが。

 しかし匂う……この調子だとフローラはともかく男の俺は結構体臭がヤバいんじゃないだろうか? 

 

 やっぱり水洗いだけでなく石鹸もほしいところだけれど……そっと左手の鉱石を見つめてみたけれど、作り方は思いつかなかった。

 何処かに転がっていないものか……その可能性があるとしたらあのカプセルだろう。

 明日も時間が余る様ならば、カプセル巡りの旅に出るのもいいかもしれない。

 

三百二十頁目

 

 何だかんだで眠れていたらしい俺は、おでこに何か柔らかい物が当たる感触で目を覚ました。

 見れば既にベッドから起き上がっていたフローラが、少し頬を赤らめて朝食を食べようと手を引っ張ってきていた。

 一体あの感触は何だったのか……気になるけれどフローラは質問する暇を与えず、テキパキと食事の支度を済ませてしまう。

 

 結局何も聞けないまま、食事を食べ終えた俺たちは今日もこの後の予定を相談し合った。

 もう俺一人で決めたりはしない……フローラもこの島での生活に慣れて来て、俺たちの関係が対等になっている証拠だろう。

 初めて会った時は拠点の外に出るのも嫌がり、俺から片時も離れたがらなかったのに……彼女の成長が嬉しいような寂しいような不思議な気持ちだ。

 

 そんなフローラに昨夜思ったことを話してみると、彼女自身も同じようなことを思っていたらしく二つ返事で頷いてくれた。

 その上で自分でも作れるか試してみると言いながら、ついでに素材もこれから沢山必要になるから集めれるだけ集めてきて欲しいというのだ。

 もちろん俺も即座に頷いて家の中のことはフローラに任せて出かけようとして……ちょっと待ってほしいとなぜか待ったが掛かる。

 

 どうしたのかと思っていると彼女はアルケンABCにサドルを付けながら拠点を作るために最低限必要な石づくりの土台やら壁やらの素材を持たせていたのだ。

 そのサドルは前に作った改良版と同じで、作業机のように物を作れるスペース付きの物でこれなら確かに空を飛びながら色々と出来そうだ。

 そしてフローラは何なら雪山に拠点を作って、一日ぐらいならここを離れて素材を貯めてから戻って来てもいいと言ってくれた。

 

 本当に自立して逞しい限りだが、むしろ俺の方がフローラに会いたいからと断ってしまった……本当に情けない限りだ。

 尤もそれを聞いたフローラが物凄く嬉しそうに微笑んで抱き着いてくれたから良しとしよう……さて今日も一日頑張るとしますか。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケー君・タヴィちゃん・アルケンABC)
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