三百二十一頁目
アルケンABCと共に何度目になるか分からない空の旅を楽しみながら、俺はまず自分たちの拠点がある山の頂上に良き金属鉱石と水晶を集めた。
その上で今度は火山に向かい、中から同じように金属鉱石と水晶に黒曜石を取って一旦拠点へと戻り回収した素材を炉にくべたり収納ボックスに閉まってから再度飛び起っていく。
そしてまっすぐ雪山を目指そうとして……朝日に煌めく海水が目に飛びこんできた。
また新しい人が来ているかもしれない、そう思うと気になって仕方がない。
前みたいに俺がいないときにフローラがおびき寄せられたりしたら……尤も流石に次は警戒してそう気軽に近づいたりはしないと思うけれど念のため先に確認しておくことにした。
アルケンABCを伴って前に残しておいた拠点へと降り立ったが、どうにも利用されている様子は見られない。
この調子なら誰も来ていないだろうと……俺とフローラの生活の邪魔になりそうな奴がいないと知ってほっとしてしまった。
本格的に俺はフローラに依存しかけている気がする。
あの子と二人きりのこの状況がずっと続けばいいとすら思ってしまう。
これがいい事なのか悪いことなのか分からないけれど、とにかくもう少し二人きりの生活を楽しめそうだと安堵してその場を飛び立とうとして……近くにある入り江に何故かラプトルとピラニアが群れていることに気付いた。
しかも丁度そのすぐ傍には白く光るカプセルが……あれぐらいなら今の俺の敵じゃないし、取って行ってもよさそうだ。
三百二十二頁目
気分は最悪だ……何で入り江と言うか水辺の中にピラニアだけじゃなくてラプトルまで群がっていたのか考えるべきだった。
そこにズタボロになって浮かんでいる塊を見ても、ただ草食が逃げ損ねてやられただけだろうと思ってしまった。
だけど近づいてみて、肉食を蹴散らししたところでその死体の近くに浮かんでいるひし形の鉱石を見て愕然としてしまった。
これは人の……やっぱり来ていたんだ……多分、ここに辿り着いてすぐ拠点より先にこのカプセルの光を見てしまって……恐竜に襲われながらも人工的な輝きの傍に行けば助かるかもしれないと走って……やられてしまったのだろう。
もっと早く来ていればこの人は……身体の凹凸からして、恐らく女性と思われるこの人は救われていたはずだ。
あの拠点でイチャイチャしていなければ或いは……いや関係ないかもしれないけど……これからはもう少し小まめに様子を見に来た方がいいかもしれない。
そう思いながら白いカプセルに手をかざして開いくと、メモ用紙と石が転がり出て来て……もしもこの人がここに到達できたとしても、結局は助からない運命だったようだ。
【今回名前が出た動物】
アルゲンダビス(アルケンABC)
ユタラプトル
メガピラニア