三百二十六頁目
諦めて逃走しようとしたところでひときわ大きな足音が聞こえて来て、振り返った俺は驚愕に見開いてしまった。
何せそこには赤いオーラのようなものを纏っているように見える角の生えた肉食が走り回っていたのだ。
普通の奴より一回りは大きな図体で、凄まじい怪力を発揮して怒り狂ってるかのようにバッタバッタとあらゆる生き物を倒していく姿は恐怖以外の何物でもなかった。
しかしまさか一カ所に長居する以外でもあの特殊個体が現れるとは思わなかった……足も速いようだし、鳥に乗ってなかったら間違いなくお陀仏だった。
本当にこの島は人間を殺しに来ている……絶対に油断するものかと力強くアルケンAのサドルを握り締めながらその場を後にする。
しかし豪雪地帯だからかはわからないけれど、あんな奴まで普通に闊歩しているとは……思っていた以上にこの場所へ拠点を作るのは命がけかもしれない。
それでも手に入る素材を考えれば、ハイリスクだがハイリターンなのは間違いなくて試す価値は十分にある気がした。
……それでも念のため、比較的安全が確保できそうな場所を探そう。
三百二十七頁目
北上に北上を続けて、ついに北西の端……自作の地図で言う左上の端と思しき場所までたどり着いてしまった。
切り立った崖の上から先を見ても、ちらほらと小さい小島というか流氷のような小さい場所が幾つかあるだけでこの先はもう何もないようだ。
足元ではフサフサの羽毛が生えた肉食が角の生えた奴を従えてマンモスを相手に暴れまわっているし、また狼や猪のような奴も駆けつけて来ては合流して毛深いサイやナマケモノなどを襲っている。
しかし時折崖から足を滑らして氷の渓谷に嵌って動けなくなったり、そのまま崖下の薄氷が張っている場所に落ちて這い上がれずにいる個体の姿を見てここに拠点を作ればいいのではと思いつく。
危険な奴は飛行能力を生かして挑発して崖の下に落とせばいい……しかも周りには原油、水晶、金属鉱石、黒曜石、さらに木材も目に見える場所に生えているし繊維や果実もショボショボとだが自生している。
おまけにちょうど今、目の前に赤いカプセルが降りて来て……もう少し先の崖下にも黄色のカプセルが降りてきている……最高だ。
だから早速危険な肉食を崖下に追いやりつつ、石の土台を作ってはその場に敷き詰めていくのだった。
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恐らくこれから鉄をたくさん焼くことになるだろうし、ここにも旋盤などの設備を作っていく必要があるかもしれない。
そう考えたらスペースはたくさん必要になる……そう思って今までで一番大きくなるように土台を立ち並べていく。
途中、傾斜があって上手く敷き詰められない場所もあったが、そこは柱を作りその上に天井のような足場を作ることで補強して広げてることを繰り返した。
かなり時間がかかったが、とにかく土台を二十個×二十個ほど並べてその上に壁を四つほど重ねた大きさのものを配置することで正方形の簡易拠点が完成させることができた。
後の内装はフローラに任せるとして、天井を敷き詰めて出入り口を作ったら一旦素材を回収して帰ろうと思う。
もちろんその前にカプセルの中身を確認するのも忘れない……何かいい物が手に入ればいいのだけれど……。
【今回名前が出た動物】
αカルノタウルス(一回り大きな図体の角の生えた肉食)
アルゲンダビス(アルケンABC)
ユウティラヌス(フサフサの羽毛が生えた肉食)
カルノタウルス(角の生えた肉食)
マンモス
ダイアウルフ(狼)
ダエオドン(猪)
ケブカサイ(毛深いサイ)
メガテリウム(ナマケモノ)