ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第122話

三百三十一頁目

 

 近くにアルケンABCを待機させて慎重に進んでいく俺……入った最初のところは薄暗く、松明は必至かとも思ったが、先の方は水晶のようなものが発光しているのか何故か先の見通しは悪くない。

 実際に狭い通路を進んでいった先には立ち上がれるほどのスペースがある広場があったが、そこは四方八方の壁に床から天井までもが氷で覆われている空間で、おぼろげな光を反射し合っているようで松明無しでも行動できそうだった。

 そして奥の方からは他の洞窟でも聞き覚えのある生き物がキーキーと鳴く音がおぼろげに聞こえてきているが、今のところは安全そうだ。

 

 まずは安堵しながら軽く周りを見回して、すぐに黒曜石に水晶それに金属鉱石の塊が目に留まった。

 回収したいところだけれど、仲間も連れず一人で行動している現状で身体を重くするのは命とりだと判断して止めておいた。

 他に何か目ぼしい物でもと思って探しまわるが特に目ぼしい物はなく、代わりに幾つもの奥へと続く狭い通路が見えた。

 

 もう少し進むべきか、ここで引き返すか……悩みどころだ。

 

三百三十二頁目

 

 せっかく入ったのに収穫なしで出るのも惜しいと思い、もう少し奥を探索しよう……とする前に自分がやってきた出入り口に繋がる通路の入り口に松明を落としておいた。

 非常時に慌てて戻ってきた際に出入り口が分からなくなったらお終いだからだ……散々迷ってきただけに、この手のことは抜かりなく行えるようになったようだ。

 そして安心しながらどう進もうか考えたところで前に何かで右手の法則というのを聞いた覚えがあるのを思い出した。

 

 迷路を探索する際は、壁沿いにずっと進めばいずれ出口に到達できるというものだ。

 尤も俺は別にこの洞窟を攻略したいわけではないのだが……それでも奥まで探索しきったほうがいいのは事実だ。

 だから出入り口に繋がる通路の壁に右手を付け……たら凍傷になりそうなので沿うように進んでいく。

 

 さて、これで新しい素材が手に入ればいいのだけれど……アーティファクトは……別にいらないけどもし手に入るなら一応回収しておいても……まあ無理だは思うけれど。

 

三百三十三頁

 

 進んだ先でも黒曜石と水晶と金属鉱石はバンバン見つかるが、他に目ぼしい物は見つからない。

 だからつい引き返すきっかけを見つけられないでいるうちに、先の通路に他の洞窟でも見た巨大な蜘蛛と蝙蝠が群れていることに気が付いた。

 やはり洞窟の中にはああいうのがいるのだろう……これは無理せず引いたほうが良さそうだ、と思ったのだが引き返そうとしたところで誤って石に躓きかけて転びそうになる。

 慌てて手に持っていた剣を地面に刺して支えたが、その際の音で向こうは気づいてしまったようで一斉に襲ってきた。

 

 とにかく下がって狭い通路へと入ることで、一度に襲い掛かってくる数を減らした状態で必死に剣を振るった。

 しかし運がいいのか悪いのか、空を飛んでいる蝙蝠が先にこちらへと駆けつけてきたが後ろから蜘蛛が飛ばした糸が絡まったようで動きが非常に鈍くなっていた。

 そこを剣で切りつけると、余りの切れ味故か一撃で倒すことができた……おかげで一発も喰らわないまま蝙蝠を全滅させることができた。

 

 次いで迫ってきた蜘蛛も、近づかれて噛みつかれたりはしたけれど分厚い毛皮の鎧は結構固いようで余り傷を負わずに倒すことが出来てしまった。

 念のためメディカルブリューを啜ると僅かな傷もあっさりと完治して……これならもう少し進めそうだ。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケンABC)
アラネオモーフス(蜘蛛・ゲームオリジナル生物)
オニコニクテリス(蝙蝠)

【今回登場した洞窟】

NorthWestCave(天帝の洞窟)
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