ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第125話

三百三十九頁目

 

 山肌の拠点を目指して地図の中央目指して飛ぶ形で移動していた俺は、途中で何か忘れているような感覚にとらわれた。

 このルートは確か毛皮の装備を始めて作ってから豪雪地帯に挑む際に通った道だが、その時に何か……そんなことを思っていると地上か不可思議な光の照り返しを受けた。

 まるで金属が夕日を反射するような……そこでアッと思わず声を洩らしながらメカステゴのことを思い出した。

 

 そう言えば前に仲間にしてから、回収するのも忘れて放置していた……申し訳なく思いながら光源の傍へと降り立つと思った通りメカステゴがこちらを親し気に見上げていた。

 ごめんよメカステゴちゃん……遅くなったけど迎えに来たよ……そう思って改めて追従させて移動を開始したけれど……あ、足が遅い。

 空を飛べない点を加味してもなお、ノロノロとした遅い足取りに旋回性能の悪さが相まって地形にも引っかかりまくる。

 

 これはとても連れ歩けない……もう一度謝罪して、俺は改めてメカステゴちゃんにこの辺りで遊んでいるように指示を出して置いて行くのだった。

 ……アルケンABCにあの子を掴めるぐらいの力があれば話は別だったのだけれど……そんな生き物が居てくれれば……そう思ったところでケツァ何とかのことを再度思い出した。

 そう言えば今日はアレを捕まえに行かないかとフローラに相談しようと思っていたのにすっかり忘れていた……旋盤のインパクトが強すぎてついつい素材集めを優先してしまったのだ。

 

 しかしアルケンABCもそうだが、飛行生物の便利さを考えればあいつを捕まえてその能力を確かめておいた方がいいだろう。

 今度こそ帰ったら早速フローラに相談しようと思いつつ、俺は一直線に山肌の拠点を目指すのだった。

 

三百四十頁目

 

 ようやく拠点が見えてきたところで、俺はパニック状態に陥りかけてしまった。

 何故ならあのよく群れで行動している肉食が壁を越えて拠点内に入り込んでいたからだ。

 しかもそのすぐ傍にはフローラの姿も……慌てて助けようと彼女の元へ向かう俺の前で、その肉食のリーダーと思しき個体が口を開けてフローラに顔を近づけていく。

 

 ここからではどんなに頑張っても間に合うわけがない。

 もう駄目だと絶望している俺の前でそいつは鋭い牙でもってフローラの……差し出した生肉だけを器用に回収して美味しそうに食べ始めた。

 残る部下と思しき二体の個体もまた同じように生肉を貰ってご機嫌そうにしている。

 

 いったい何が起きているのかと困惑しながら望遠鏡の存在を思い出した俺はそれでフローラの様子を窺ったが、彼女もまた満足げに微笑んでいて危機感など全く抱いているようには見えなかった。

 そんなまるで仲間と触れ合っているようなフローラの姿に、俺はようやく彼女があれらを仲間にしたのだと気が付いた。

 しかし一応そばに捕縛用の罠があるとはいえ、どうやって眠らせたのか不思議に思っている俺は彼女がその手に見覚えのあるライフルを握っていることに気が付いた。

 

 あれは確か何かの際にカプセルから回収した奴だ……まさか彼女はあれであの肉食を眠らせて仲間にしたのだろうか?




【今回名前が出た動物】

TEKステゴサウルス(メカステゴ)
アルゲンダビス(アルケンABC)
ケツァルコアトル(ケツァ何とか)
アロサウルス(群れで行動している肉食)
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