ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第132話

三百五十三頁目

 

 外へ出た俺たちだが、まだケツァは眠ったままで起きるまで待つ必要がある。

 しかし時間が勿体ない……だからフローラに先に帰っても良いと促すが、彼女は少し考えたかと思うと一緒に戻ろうと言い出した。

 そして山肌の拠点に居る動物たちの中からこの洞窟の攻略に使えそうな子を連れて来てはどうかと言うのだ。

 

 急に乗り気になった様子に驚くが、詳しく話を聞いてみるとどうも俺が勝手に攻略に行くと思い込んでいるようだ。

 前に雪山からアーティファクトを持ってきたことが実は内心気にかかっていたようだ……自分を危険に巻き込まないためにわざと飛行生物では中に入れないと知っていながらあんな一芝居打ったのではと疑いの眼で見つめてくる。

 確かにフローラの身の安全は気にしているが、騙す気なんかないのだが……しかしフローラは今も俺が彼女を追い返してから一人で入っていくと思っているようだ。

 

 何度もそんな真似はしないというが、それでも気が変わるかもしれないと言って……どうせなら今のうちに一緒に進めるところまで進んで、最悪はアーティファクトを入手してしまえばもう無理はしないだろうと言い張るのだ。

 こうなってはどうしようもない……何より確かに、このあと一人でケツァが起きるのを待っていたら俺は暇つぶしにその辺の動物を捕まえて再チャレンジしてもいいかなぁと心の片隅では思っていたのだ。

 

 だから説得を諦めた俺は、素直にフローラと共に山肌の拠点へと戻り適当にアルケンABが運べそうな生き物を選んで洞窟へ再挑戦することになったのだった。

 

三百五十四頁目

 

 山肌の拠点に戻った俺たちはアルケンABで運べてかつ、強そうな生き物の選別にかかった。

 するとちょうど前にレオ君の同種……レオンちゃんを仲間にしてあったので、まずその子にサドルを付けて連れていくことにした。

 こいつは垂直な木の幹や壁に貼りついて登っていくことができるだけに、洞窟のような地形の攻略にはうってつけだし、その鋭い爪と牙は相手に出血をもたらすほど強力だ。

 

 これほど打ってつけの奴はいないと喜んだものの、残念ながら一匹しか確保していなかった。

 俺とフローラが乗る分を考えもう一匹の選別にかかるが、これが適当なのが居ないのだ。

 と言うより余り小型の奴は捕まえなくなってしまったために、もうモソちゃんぐらいしかアルケン達が運べそうな奴が残っていないのだ……そしてこいつは戦力面じゃほぼ役に立たないから連れて行っても仕方がないというおまけつきだ。

 

 こうなると前にレオ君とサーバルちゃんを死なせてしまったのが非常に痛い……それでも何かを忘れているような気がして、もう一回山肌の拠点全体を見回して……隔離小屋を思い出した。

 あそこにはフローラが見たくない動物が……サソリとカエルがいるけれど、あいつらなら弱くはないし鍵爪で掴んで運ぶことも出来るはずだ。

 何よりカエルはあれで大ジャンプができるから多少の段差を乗り越えていけるし、道中に虫が湧くのならそれを倒してセメントにもできる……フローラが嫌がるという一点を除けば、これほど便利な奴はいないのだが……。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトル
アルゲンダビス(アルケンABC)
ティラコレオ(レオンちゃん・レオ君)
モスコプス(モソちゃん)
サーベルタイガー(サーバルちゃん)
プルモノスコルピウス(サソリ)
ベールゼブフォ(カエル)
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