ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第133話

三百五十五頁目

 

 結局俺はカエルを掴んで飛び、フローラは離れたところでレオンちゃんを掴んで同じようにケツァの居る場所を目指して飛んでいた。

 色々と嫌そうな顔をされたし、何なら今から別の生き物を捕まえてとも言われてしまったがレオンちゃんの踏破力について行けるのはこいつぐらいだと必死に説得したのだ。

 そしてレオンちゃんの同種は幹に貼りついている都合上、新しく見つけて仲間にするのは時間がかかり過ぎる……そこまで伝えたところで最終的にフローラは折れてくれたのだ。

 

 尤も一定以上近づかないでと言われてしまったけれど……それでも俺を一人で行かせるのは嫌なようで、最終的には渋々と頷いてくれたのだ。

 こうして乗る動物の選別も済んだところで、俺たちは改めて洞窟の場所へと戻り未だに眠りこけているケツァが無事でいることを確認してから改めて乗り換えて洞窟へと入っていくのだった。

 ちなみにその際に他にも護衛を連れて行こうとも考えたが、フローラは慎重に進んで無理そうならその時点で引き返す約束なのだから必要ないと言うのだ。

 

 その上でもしも仲間が欲しくなったら、その時は洞窟内で捕まえればいいと言いきった……恐らくは前にサーベルタイガーを洞窟内に置き去りにしたことをまだ気にしているのだろう。

 俺よりはずっとまともな倫理観を保っているらしいフローラの意見を否定しようとは思えず、何よりも彼女に入っていないが前の洞窟では単身で動物を一匹も連れずに攻略できているのだ。

 だからいざとなったら自分が切りかかるぐらいの気持ちで居ようと、腰に下げてある刀を握り締めながら頷いてみせるのだった。

 

 

三百五十六頁目

 

 最初にアルケンABCで入ろうとしただけあって、今までの洞窟に比べて内部は広くかなり進みやすかった。

 そして内部も別れ道こそあれど、下へ下へと向かっていて非常に分かりやすい。

 これならば帰りは坂道を登って行けばいいだけだ……だから何処か気楽に進んでいく俺たち。

 

 そう気楽にピクニック気分だ……何せ危険な動物もほとんどいないのだ。

 尤も壁や天井から何かの生き物がはい回る音が聞こえるから警戒こそ解いていないが、そっちを見ても何もいないのだ。

 まるで壁の向こう側に空間でもあって、そこを這いまわっているかのようにだ……尤もたまに思い出したかのように蜘蛛が襲っては来るが、それにしたって前の雪山洞窟やその前の肉食島の洞窟と比べれると全然大した規模ではない。

 

 だからフローラと離れたまま個別で戦っても余裕で撃破できるほどだ……出来れば虫も出てほしいぐらいだが、この調子だとセメントは手に入りそうにない。

 とにかく調子よく進んでいった俺たちは、二股の別れ道に突き当たっても特に深く考えることなくその場の気分で左に曲がり……軽い段差にぶつかってしまう。

 ちょうど俺の身長の二倍ぐらいありそうな段差は一度降りたら登れなさそうに見えた……あくまでも俺たちならばの話だ。

 

 もちろんレオンちゃんの壁登りやカエルの大ジャンプを持ってすれば大した問題じゃない……だから気にせずに降りてそのまま進んだところで……見覚えのある不可思議な光の波動とそれを発する人工的な音が聞こえてくるのだった。




【今回名前が出た動物】

ティラコレオ(レオンちゃん)
ベールゼブフォ(カエル)
ケツァルコアトル
アルゲンダビス(アルケンABC)
アラネオモーフス(蜘蛛・ゲームオリジナル生物)

【今回登場した洞窟】

LowerSouthCave(狩人の洞窟)
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