三百五十七頁目
フローラと顔を見合わせながら慎重に進んでいくと、天井が妙に低くなっている場所を見つけてしまう。
そしてアーティファクトの放つ波動はその向こう側から出ているのだが、余りにもその隙間が狭くて動物に乗ったまま進むことが出来ないのだ。
人だけなら問題なく通れるだろうけれど……どうするべきか少し迷うが、アーティファクトはその隙間をくぐってすぐのところにある。
何より向こう側には軽く見回した限りでは動物の姿もなく、ササっと行って取ってくる分には安全だと思われた。
だから腰の刀を抜いて、フローラにカエルの面倒を頼み向かおうとして……服をきゅっと掴まれてしまう。
そして危ないから着いていくという彼女だが、こんな危険な行為に付き合わせるわけにはいかない。
こういうのは男の俺の役目だと言いつつ、あえてここに残って出入り口の確保を頼んで……それでも納得がいかなそうな彼女に、最悪はここから持ってるライフルで援護してくれと頼むとようやく納得したように頷いてくれた。
軽く顔を叩いて笑顔を作ると、スナイパーフローラちゃんにお任せだと言ってくれて……そんな可愛らしい彼女に癒されながら俺は慎重にアーティファクトへ向かって単身進んでいくのだった。
三百五十八頁目
くそっ!! 罠だったのかっ!?
確かに洞窟にしては簡単すぎると思ったんだっ!!
だけどまさか、アーティファクトを確保した途端に天井や壁から無数に動物が降って来るなんて想定外だっ!?
多分暗がりで見過ごしている隙間か何かがあって、そこから飛び出してきたのだろうけど……こんなのはあんまりだっ!!
蜘蛛だけじゃなくて他の洞窟でも見た蛇にサソリにムカデ……居ないのは蝙蝠ぐらいだ。
しかもそいつらが俺のところではなく、隙間の向こう側に居たフローラの傍で出たからシャレにならないっ!!
必死にカエルとレオンちゃんで戦っているが、数が数だけに持ちそうにないっ!!
だけどこんなことでフローラを失ってたまるものかっ!!
こうなったらこの刀で俺も参戦して、彼女の逃げる道だけでも切り開いてやるっ!!
三百五十九頁目
果たして俺も一緒になって敵の動物を切り裂いていく中で、ムカデの強酸と思わし体液で刀も防具もボロボロになってしまう。
それだけではなく何度も蛇に噛みつかれサソリに刺されて苦しさを覚えながらも、何とかあの段差までたどり着くことができた。
しかし飛び越えようにもカエルはやられてしまった……やはり使い捨てだろうと何だろうと、俺たちの命には代えられないのだからもっと護衛を連れてくるべきだったっ!!
そんな後悔をしつつも、とにかくレオンちゃんに乗っているフローラだけでも崖上に避難させると俺は改めて残りの敵に振り返った。
だけど壁や天井からどんどん湧き出しているかのように、まだまだ大量に残っていて……しかも何やら強烈な眠気まで襲ってくる。
そこで蛇の攻撃には眠気を誘う毒があることを思い出したが、だからと言ってどうしようもない。
繊維か何かを回収した折についでにとってあった少量の白い実を齧って、少しだけ眠気を覚まさせたが焼け石に水だ。
もうどうしようもない……そう思ったところへレオンちゃんが崖の上から飛び降りてきた。
多分フローラがそう指示を出してくれたのだろう……俺は最後の力を振り絞ってレオンちゃんに乗ると夢中で崖をよじ登った。
そうして何とかフローラと合流したところで、ここにはそこまで動物が湧いていなかったことに安堵しながらついに眠気に負けてその場に崩れ落ちてしまう。
フローラが何事か叫んでいるけれど、もう返事を返すことも出来ず目を閉じ……ようとしたところで、凶暴そうな咆哮が聞こえてたような気がした。
そして何故か俺の身体が鋭い何かに挟まれて、しかも持ち上げられるような浮遊感を感じて……そこで俺の意識は闇へと落ちて行った。
【今回名前が出た動物】
ティラコレオ(レオンちゃん)
ベールゼブフォ(カエル)
アラネオモーフス(蜘蛛・ゲームオリジナル生物)
プルモノスコルピウス(サソリ)
ティタノボア(蛇)
アースロプレウラ(ムカデ)
オニコニクテリス(蝙蝠)
【今回登場した洞窟】
LowerSouthCave(狩人の洞窟)
【今回手に入れたアーティファクト】
狩人のアーティファクト