ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第136話

三百六十二頁目

 

 何とか落ち着いたフローラと共に外へ出ると、既に辺りは夕暮れになりかけていた。

 そして近くにはまるで俺たちの護衛代わりとばかりにアルケンABCとペアラちゃん、それに巨大な翼竜が四方を睨みつけるようにして待機していた。

 どうやら俺が眠っている間にケツァも仲間になっていたようだ……改めて近くで見るとその巨体に圧倒されそうになる。

 

 ティラノサウルスに勝るとも劣らないそのサイズを誇るこのケツァがどれだけのことができるか少し楽しみだ。

 尤もこいつでもメガちゃんは運べなかったようだが……せめてステゴサウルスが運べるのならば、あのメカステゴを拠点まで連れ運べるのだが……。

 とにかく俺も目を覚ましケツァも仲間にした以上、これ以上ここに留まる理由はない。

 

 メガちゃんは簡易拠点の中で安全なはずだし、もう何を気にすることも無いとばかりに俺はフローラと共にペアラちゃんに乗ると他の飛行生物を追従させたままこの場を後にした。

 

三百六十三頁目

 

 空へと浮かび上がったところで、この場所が南端の浜辺に近い場所だということを思い出した。

 そして夕暮れと言うことで本来ならば最初に俺たちがいた場所を見に行く時間なのだが、俺は少しだけ躊躇してしまう。

 何故ならフローラが傍にいるからだ……俺の予想が正しければ次に来るのは男性で、もしもそいつがフローラ好みの奴だったらと思うとどうしても気が気ではいられないのだ。

 

 そしてもう一つ、これだけ飛行生物を連れた状態で新しい奴と出会ったりしたらそいつは譲ってくれとか付いて来たいと言い出しかねない。

 やはりフローラと二人きりの……疑似的な夫婦生活を満喫している俺としてはそこに新しい誰かを迎え入れたくはなかったのだ。

 だから迷っていたのだが、そんな俺の変な態度にすぐ気づいたフローラはまだ体調不良が残っているのかと……洞窟で感染症でもまた貰ったのではと不安そうに後ろから肩越しに俺の顔を覗き込んでくる。

 

 お互いの吐息が掛かりそうなほど顔が近づいたことに心臓がドキッと跳ねて興奮して仕方がないが、フローラの方は俺を心配そうに見つめるばかりで意識している様子はなかった。

 そんな彼女に興奮している様子を悟られたくなかった俺は、代わりに考えていることをごまかすことが出来ず正直に生存者が来ているかもしれないことと、二人での生活に立ち入られたくないと思っていることを話してしまうのだった。

 途中で気づいて慌てて口を閉ざしたがその時点で全容を察していたらしいフローラは、今度こそ顔を火照らせながら顔を離した……かと思うとまるで寄り添うように俺に抱き着いてきた。

 

 そして再度顔を近づけるとぽつりと小さい声で『私も』と呟いてくれて、そして更に顔が近づいてきたかと思うと……。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケンABC)
タペヤラ(ペヤラちゃん)
ケツァルコアトル
ティラノサウルス
メガロサウルス(メガちゃん)
ステゴサウルス
TEKステゴサウルス(メカステゴ)
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