ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第153話

四百一頁目

 

 とにかく素材も渡し終えたところで最後に俺はフローラへ南の海岸であった出来事を説明し始めた。

 新たにやってきたメアリーと言う話の分からない高飛車な女性のことと、オウ・ホウさんがズタボロになりながら洞窟探索を進めていることをだ。

 するとフローラはその女性の見た目とかを聞き始めて、少しだけ唇を尖らせたと思うと俺に抱き着いてきて次からは自分も一緒じゃないと会っちゃ駄目だと言うのだった。

 意外とフローラは嫉妬深いというか独占欲が強いのかもしれないけれど、そんな仕草も可愛らしくてむしろ嬉しかった俺はやさしく抱き返しながらはっきりと頷いてあげた。

 

 そうすると今度は恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にしてパッと離れてしまい話をごまかすように無理やりオウ・ホウさんの話題に戻しつつ……真剣な顔でで洞窟を探索していることをどう思うか尋ねて来た。

 その瞳に心配そうな輝きが浮かんでいることから、俺も一緒になって危険に首を突っ込むのではと不安なのだろう。

 だけど俺にとって一番大切なのはフローラとの生活なのだ……だからそうはっきり告げて、その上でもしオウ・ホウさんが攻略するなら出来る限り支援はするけど一緒に乗り込む気は余り無いと告げてあげた。

 

 それを聞いてようやく安心したように頷いたフローラは、そんな俺の方針を支えるためにもオウ・ホウさんの為に色々準備をしてあげると言って作業所へ向かって行ってしまうのだった。

 しかし……支度とは一体何をするつもりなのだろうか?

 

四百二頁目

 

 素材を整理しつつ冷蔵庫の恩恵により、キンキンに冷えている飲み物を堪能できるようになった俺は電灯の輝きもあって本当に別荘へ休みに来ている気分になってくる。

 だから二階に上り、真っ暗な山脈とその麓にある太い樹木の生えたところを見つめながら虫や動物、それに風に揺れる木々などの自然な音を聞いてまどろんでいた。

 尤もこの場所にあるのは全てが人工物と言うべきかもしれないが……それでも生命は必死になって生きようとして歪ながらも自然環境を循環させているように見えた。

 

 俺たちもその中の一つなのだと思いながら、ふと遠くの空に輝くオベリスクを見つめてしまう。

 果たしてあれを作った……そしてこの島に配置した奴らは何を求めているのだろうか?

 停滞を許さないシステムと言い、俺たちを何かに誘導しているようではあるが……彼らの思惑がどうであれ、俺の目的はフローラとの末永い幸せな生活なのだ。

 

 その為ならば究極的には元の世界に戻れなくてもいい……この場所でずっと今の生活を二人で過ごしていても構わないとすら思ってしまう。

 だけれどもそんなことをしたらこの島の管理人はどんな行動に出るだろうか……既にあの特殊なティラノすら倒せる戦力を手に入れた俺達をそれでも動かそうとするのだろうか?

 全く分からないし先のことを考えると不安にもなってくる……だけどどんなことがあろうとも、フローラだけは守り抜いて見せると俺は改めて心の中で誓うのだった。

 

 ……フローラが呼んでいる、そろそろ行かないと……あの方向は……お風呂場かっ!?




【今回登場した動物】

αティラノサウルス(特殊なティラノ)
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