四百五頁目
着替えを済ませて、しかもメアリーはフローラからいつの間にか手料理を受け取って食べ始めてたことでようやく少し落ち着いたようだ。
その上で色々と訪ねてくる彼女にフローラは丁寧に説明を続けるが、どうも産業革命以前と思わしき中世あたりから来ている彼女にも中々
現在の状況を理解してもらうのは難しいものがあった。
それでも彼女も空に浮かぶオベリスクは遠目で見ていたらしく、あれを操作することが出来れば元の場所に戻れる可能性があることと、それを操作するためのアーティファクトが洞窟内にあることは理解してくれた。
そしてその確保のためにオウ・ホウさんが動いていると知ると、少しだけ俺たちを見る目が変わったような気がした。
尤も内心でどう思われているかまではわからないが、少なくとも俺たちがここに居ることへ文句を付けたりはしなくなった。
おかげで話し合いやすくなった俺たちは、フローラの促しもあって早速オウ・ホウさんから洞窟攻略についての話を聞き始めるのだった。
四百六頁目
まずオウ・ホウさんが言うには俺が見つけた洞窟のうち未攻略であるものを実際に見て回り、内部に関しても軽く立ち入って様子を見てきたという。
そして難易度ごとに洞窟に順位を付けていて、攻略するならばこの順で……と言おうとしたところでフローラが荷物から大きめのキャンバスを取り出してきた。
そこには俺が自作したマップが描かれている上に見つけた洞窟や資源の場所が細かく記されていて、彼女曰くこれを戦略図代わりにして作戦を立てて行こうというのだ。
確かにここに書いておけばもし俺たちがすれ違っても情報の共有は可能だ……だからオウ・ホウさんもすぐに気づいてありがたいと喜びの声を上げた。
その上で実際に戦略図に描かれている洞窟の近くに詳細な情報を書き込んでいく。
それによると一番難易度が低いと思われるのは火山の途中にある洞窟で、これは洞窟の入り口が横幅こそ狭まっているが高さはあるために一部の中型な動物でも出入りできそうだというのだ。
オウ・ホウさんの見立てでは道中で見かけた細長いフォルムのワニや角のある肉食……俺達がカルちゃんと呼んでいる奴ぐらいなら立ち入れそうだという。
つまりそこそこ頼りになる生き物を連れ込みやすいということになり、おまけに洞窟内部は多少寒いが皮の服でも耐え切れないほどでもないらしい。
だから他の洞窟と違ってそこまで極端な環境をしていないために、純粋に立ちはだかる動物を倒せれば恐らく問題なく進めるだろうというのだ。
尤も奥に進んだら少しは環境が変わるかもしれないから対策手段は持ち込むべきだろうし……何よりオウ・ホウさんが立ち入ったところで空から襲ってくる巨大な蝙蝠の群れを見て、更に奥からは何者かのいびきと思しき音も僅かに聞こえていたという。
いびきに関しては恐らく前に仲間にしたメガちゃんの同種だろうと思われるが、あいつや蝙蝠が生息している以上はしっかりとした戦力で乗り込む必要がありそうだ。
しかし逆に言えば今の俺達ならその戦力を用意するのはそう難しくはない……運搬方法を除けばだが。
尤も近くにいる適当な肉食を仲間にすればいいだけの話ではあるが……もしくはケツァ君にどうにか協力してもらって強引にでも動物を運搬できるようになれば……。
【今回名前が出た動物】
バリオニクス(細長いフォルムのワニ)
カルノタウルス(カルちゃん)
オニコニクテリス(蝙蝠)
メガロサウルス(メガちゃんの同種)
ケツァルコアトル(ケツァ君)
【今回話題に出た洞窟】
CentralCave(賢者の洞窟)