四百七頁目
次いでオウ・ホウさんは南東の端にあったあのマグマが流れている洞窟を指し示しその次に攻略すべきはここだと断言した。
フローラは実際に入ったことがあるだけにあれが二番目に簡単だと聞いて驚いてしまうが、残る二つを直接見て知っている俺は思わず頷いてしまう。
何せ残る二つの内虫が大量に住み着いている方は毒ガスが蔓延していて、もう一つは入ったことこそないが極寒地帯に存在する凍り付いた洞窟で環境もマグマほどではないが厄介な場所なのだ。
おまけにそこで重傷を負っているオウ・ホウさんの姿も見ているために、消去法で考えればこの洞窟が二番目になるのは納得でしかなかった。
実際にオウ・ホウさんはマグマの流れる洞窟を体力の持つ限り調べたけれど、恐らく熱さ対策さえできれば後はマグマに落ちないよう気を付けて進めばいいだけだという。
尤も入り口が小さいから護衛として連れ込める動物に限りがあるだろうけれど、その分だけ中にいる生き物も大型な奴はいないのではないかと言う。
だからとにかく熱対策の手段を見つけさえすれば問題はないと言い、その上でマグマに落ちないよう機動力やジャンプ力のある生き物を連れ込めばいけるのではと言うのだ。
そんな彼に俺たちは熱対策の手段はまだ用意こそできていないが見つけてはいると説明しようとして……フローラが自信満々にギリー装備を取り出して見せた。
考えてみれば有機ポリマーを含めて素材は渡してあるのだから彼女が作らないはずがない……おまけに金属と毛皮の装備一式と共に俺が前に壊してしまった切れ味のいい刀まで差しだしている始末だ。
いつの間に修理してあったのだろうか……しかもそれらを俺に見せることなくオウ・ホウさんに渡したのは、やっぱり俺にはもう危険な場所に出向いてほしくないからある意味で処分したようなものなのだろう。
それらを受け取ったオウ・ホウさんはとても感激していて……特にギリー装備を実際に着込んだところで、これならば飲み物を持ち込むことさえ怠らなければ問題なく行けると断言した。
だけど俺たちは付いていくということはできず、あいまいに頷くばかりであった。
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そしてオウ・ホウさんは次にあの毒ガスが湧き出て居る洞窟を指し示して見せた。
あの毒ガスと危険な害虫ばかりの洞窟を俺は全く攻略できるとは思っていなかったので、中を見てなお攻略する気満々なオウ・ホウさんに少しだけ驚いてしまう。
そして今度は逆にその洞窟を良く知らないフローラはどんなところなのか無邪気に訊ねて来て……詳細を聞いて物凄く嫌そうに顔をひきつらせた。
虫だらけと言うだけでも女性陣にはきついようで、少し離れたところで耳を傾けていたメアリーも口元を手で隠しながら眉をひそめているほどだ。
おまけに毒ガスが湧き出ていると知ると、そんなキケンなところ絶対入ったらダメだと怒ったように騒ぎ出すフローラ。
しかしオウ・ホウさんは毒ガスさえ何とか出来れば、数こそ異様に多い虫自体の戦力はそこまでではないから、少しずつ敵の数を減らしながら進んでいくことが出来るだろうというのだ。
尤も問題はその毒ガスをどうにかする手段なのだけれど……パッと思いつくのはガスマスクだったり酸素ボンベぐらいだが、そんなもの作れるとは……電気製品を作ったフローラなら出来そうな気がしてしまう。
けれど流石にフローラもそれは流石に用意してきていないようで、一応考えるけどと呟きつつやはり嫌そうにしていた。
そんな彼女にオウ・ホウさんはお世話になりっぱなしだからこちらでも考えると告げつつ……最後に豪雪地帯にある洞窟を指し示し、非常に悩ましい様子で呟いた。
問題はここだと……ここだけはどうすればいいか見当もつかないのだと言うのだった。
【今回話題に出た洞窟】
SouthEastCave(大物の洞窟・マグマの流れている洞窟)
SwampCave(免疫の洞窟・毒ガス洞窟)
SnowCave(強者の洞窟・豪雪地帯にある洞窟)