ARK とある青年の日誌   作:車馬超

160 / 1041
第160話

四百十六頁目

 

 もう少しだけ進んで中を確認しようか悩んだところで、先の方から蝙蝠と思わしき鳴き声が聞こえてきた。

 この熊ならば多分そこまで苦戦せずに倒せるだろうけれど、あいつらも確か伝染病を媒介してくるはずだ。

 おまけに前に俺が一人で攻略した洞窟と違って、ここはそこそこ広くて高さもある……飛行能力を活かして攻めてこられたら厄介なことになる。

 

 何より俺はフローラを不安にさせたくはない……だから万が一のことを考えて、素直に引き下がることにした。

 外に出てとりあえず洞窟の前で待機させておきつつ、何かに攻撃された時だけ自衛するように指示を出しておく。

 その上で俺はこの場を飛び立ち、ケツァ君を連れて山肌の拠点へと戻ろうとする。

 

 フローラがこの子のサドルで工夫したいから連れ出さないでくれと言っていたはずだから、連れ回すわけにはいかなかったのだ。

 それでも途中ですぐ近くにある火山の火口内と山肌の拠点の傍にある山頂で金属鉱石等一式を集めるのも忘れない。

 そうして戻ってきたところでフローラもまた拠点へと戻ってきたが、軽く会話を交わした後に何やら色々と素材を抱えるとすぐに飛び立って行った。

 

 どうもメアリーの為にあっちの拠点を少し改良するつもりらしい。

 そこまでしなくてもと一瞬思ったが、フローラが言うにはあの場所は女性が過ごすには幾ら何でも不便過ぎるのだという。

 確かに指摘されてみればあの場所にはシャワー室も何もあったもんじゃない……オウ・ホウさんならピラニアの居る水辺でも平気で身体を洗えそうだがメアリーには厳しいだろう。

 

 尤もあっちの拠点を改良するよりこの場所に連れて来た方が話が早いのだが……俺と二人きりのこの場所には連れ込みたくないのだろう。

 その想いが嬉しくて、結局俺はフローラを引き留められないまま自らもアルケンAに乗ってこの場を飛び立つのだった。

 

四百十七頁目

 

 改めて洞窟攻略に必要な動物を集めようと思った俺は、今度は前に攻略した洞窟へと戻ることにした。

 何でもフローラ曰く、あの中の入り口付近にレオンちゃんを待機させてあるというのだ。

 当時は俺がボロボロだったから中から凶暴な動物に追撃されないよう殿代わりに置いておいて、落ち着いたら回収に戻るつもりでいて……オウ・ホウさんとの出会いの衝撃ですっかり抜け落ちてしまっていたらしい。

 

 尤も洞窟攻略時に大量の生肉は回収してあったから飢えていることはないだろう……そう思って実際に戻ってみると、入ってすぐのところで生肉を齧っているレオンちゃんと無事に合流することができた。

 次いでに近くの拠点内に居るメガちゃんの様子も確認して、こちらも元気そうだと判明すると改めて生肉を持たせてあげつつこの場を後にした。

 そして再び火山の途中にある洞窟前へと戻ると、捕獲罠の中でカルちゃんの同種が眠りについていた。

 

 どうやらオウ・ホウさんが捕獲した個体のようだ……準備は着実に進んでいるし、この調子ならすぐにでもこの洞窟は攻略できそうだ。




【今回名前が出た動物】

オニコニクテリス(蝙蝠)
ショートフェイスベア(熊)
ケツァルコアトル(ケツァ君)
メガピラニア
アルゲンダビス(アルケンA)
ティラコレオ(レオンちゃん)
メガロサウルス(メガちゃん)
カルノタウルス(カルちゃんの同種)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。