ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第161話

四百十八頁目

 

 見た目の大きさ的には熊と殆ど変わらないレオンちゃんだが、何故か洞窟に入ったすぐのところで肩の部分が引っかかってしまい進むことができなかった。

 恐らく木や壁に登るため発達している腕の筋肉が太すぎたのが原因だろう。

 しかしこうなると中に入れてアルケンAで運搬できそうな生き物はサーベルタイガーやカエル……あるいはサソリとかしか思いつかない。

 

 尤も熊とカルちゃんの同種が居る時点で戦力的には足りているような気もする……いや、やはり前の洞窟のように数で押されたらやはりこちらも数を揃えておくべきだろう。

 だからサーベルタイガーを集めに行こうと思い、どこへ向かうべきか少し考える。

 あいつは結構色んな所に居るから、どうせなら素材も集められる場所へ向かいたい。

 

 そして素材が集まる場所と言えば豪雪地帯……そう言えば西端から北上した際に豪雪地帯との境目にある流氷が浮かんだ川のある当たりに肉食がわんさか集まる場所があった気がする。

 確かあそこにもサーベルタイガーはいたはずだ、回収できなかったが真珠もその傍に……早速向かってみよう。

 

四百十九頁目

 

 まっすぐ空を飛びあっさり目的地に到着した俺は、相変わらずあちこちで肉食同士が争っている光景を見回してふとあることに気が付いた。

 それは豪雪地帯を群れで走り抜けている狼と、たまにその中に混じるようにして共にナマケモノに襲い掛かっている猪とも豚ともつかない生き物だ。

 こいつらのサイズなら洞窟にも入っていけそうだし、何よりこの試される大地で暴れまわっているだけあって戦闘力も低いとは言えないはずだ。

 

 サーベルタイガーよりこいつらを捕獲したほうが或いは便利かもしれない……何より未だに一匹も捕獲していないから、捕まえて性能を試してみたいという気持ちもあった。

 だからあえて俺はこの場を飛び去り、豪雪地帯の奥に作った簡易拠点のある場所まで飛ぶと、そこに小さめの捕獲用の罠を作って早速近くにいる狼や豚の捕獲を試みるのだった。

 

四百二十頁目

 

 し、信じられないっ!? 何だこの豚はっ!?

 今まで傍で見てこなかったから気づかなかったが、何やらその口の吐息が仄かに煌めいているように見える。

 その輝きは自らの傷口やあるいは近くにいる生き物の傷口に付着して、その部分で淡く光を放ち続けていた。

 

 すると俺の目に見て取れるほどの速度で傷口が癒えていくのがわかる……まさかずっと前に戯れに考えていた生き物の傷を癒せる能力を持った生き物が実在するだなんて驚きだ。

 通りでこの危険な大地で体格差のあり過ぎるマンモスなどを相手に同等以上に戦えるはずだ……そして周りの肉食がこの豚を基本敵視せず、共に行動しているのも納得がいった。

 自分たちの傷を癒せる生き物なら餌にするより狩りに同行させた方がずっと便利だからだ……そしてそれは俺達にとっても同様だ。

 

 こいつを洞窟に同行させれば仲間の動物たちもより安全に進めるようになる。

 大きさも熊より少しだけ小柄だから大抵の洞窟に連れ込めるだろうし……これは是非とも仲間にしなければならない相手だ。




【今回名前が出た動物】

ショートフェイスベア(熊)
ティラコレオ(レオンちゃん)
サーベルタイガー
ベールゼブフォ(カエル)
プルモノスコルピウス(サソリ)
ダイアウルフ(狼)
ダエオドン(猪とも豚ともつかない生き物)
メガテリウム(ナマケモノ)
マンモス
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