四百三十一頁目
まずフローラが切り出した一つ目の条件……それは俺が自分の意志で行きたいと思っているかどうかだという。
じっとこちらを見つめてくるフローラの視線に戸惑いながらも、内心で考え始めた俺は……やはりオウ・ホウさんを一人で行かせるわけにはいかないと思ってしまう。
何よりこの島の停滞を許さないシステムを思うと、洞窟への挑戦を諦めたらより酷い現象に襲われる可能性もあり得るのだ。
だから万が一に備えてアーティファクトの回収自体は進めておくべきだとも思うからこそ、俺ははっきりとフローラに頷き返しながらその想いを嘘偽りなく告げた。
するとフローラは仕方ないとばかりに微笑むと、そう言うと思ったというのだ。
どうやら彼女もあの後ずっと考えていたらしいがオウ・ホウさんを放っておくわけにはいかないと結論付けたらしい……放っておいて死なれたら自分だけじゃなくて俺もずっと後悔するだろうからと。
それでもフローラは二つ目の条件として……オウ・ホウさんが言っていたように危険には近づかず、極力後ろから着いていくだけに留めて援護は遠距離からの支援に留めるようにと言うのだ。
少し難しそうに思ったがそのための準備も出来ていると言い、フローラは新たな道具を取り出して見せた。
それはクロスボウで打ち出せる矢を改良したもののようで、先端が何かに引っかかる様フック上になっていて後ろにはワイヤーが巻き付けてあった。
これを使えば某ゲームに出てくるフックショットのように何かに引っ掛けて人の身体を引っ張ったり持ち上げたりできるというフローラは、もしもの際はこれでオウ・ホウさんの身体を巻き取って引っ張って逃げ出せばいいという。
少し乱暴な気もするが、とにかくフローラは俺に危険な目にはあって欲しくないのだという……だからこの条件が飲めなければ行っちゃ駄目だと宣言した。
もちろん想うところはあるけれど、オウ・ホウさんに頼まれた内容に反するわけでも無いし頷いた俺……尤も内心ではいざとなったら手を貸してしまいそうだと思っていた。
しかしフローラからすれば俺のそんな思惑はお見通しだったようで、三つ目に出された条件は……自分も連れていくことだった。
俺と離れたくないし目の届かない所で何かあったら生きていけないと言うフローラ……そんな愛おしい相手の健気な態度に首を横に触れるわけがなかった。
……どうやら明日は三人で洞窟攻略をすることになりそうだ……安全のために人間は中型以上の動物に乗るとして、熊とワニと角の生えた肉食で数は足りているけれど……。