ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第168話

四百三十二頁目

 

 ケツァ君はスタミナも優れているが、それでも流石に草食島への海を渡る前には一度体力を回復させておいたほうがいいだろう。

 そう判断した俺たちは例のマグマの流れている洞窟の傍へと着陸してケツァ君を休ませつつ、縄梯子を下ろした。

 そして前に仲間にしてこの場に待機させていたラプトル達をお世話してあげながら、改めて文明の輝きである電灯が照らし出す世界を見回してみた。

 

 やはり篝火とは比べ物にならぬほどの広範囲が煌々と照らされていて、俺達の居る傍からは完全に闇が払われてしまっている。

 これならば或いは夜中に探索しても多少は安全かもしれない……道理でフローラが興奮してあちこち飛び回るわけだ。

 おまけにケツァ君は大量に物を持ち運べるし、背中に設備も整っているから必要な物をその場で作ることもできる。

 

 アルケンも優秀だったけど、これからはこの子での移動が中心になるかもしれない……むしろケツァ君とならフローラがクラフトしつつ俺に付いてくることもできるだろう。

 より彼女と共に過ごせる時間が増えそうで、俺はニコニコしながらフローラの元へ戻ろうとして……何故か縄梯子が取り払われていることに気が付いた。

 驚く俺の前でフローラは俺に手伝ってと言いながら、岩で作ったスロープ状の土台を後ろから伸ばそうとするのだった。

 

四百三十三頁目

 

 スロープを利用することでその場にいたラプトル達をケツァ君の背中へと乗せることに成功したフローラは、これで護衛も完璧だと言ってのけた。

 まるで輸送機のような使い回しに感心してしまうが、考えてみれば既に彼女はメガちゃんを乗せて移動して見せていた。

 その時にはどうやって乗せたかはわからないが、多分その際に色々と苦労したから、こうしてスロープを設置して乗せやすくする方法を考えていたのだろう。

 

 そしてこれだけ乗せてもまだケツァ君の積載能力には余裕がありそうで、下手したら肉食島からティラノも運び出せるのではないかとすら思ってしまう。

 ……そこでふと思い出したが、育てかけの卵とアルケー君は一体どうしたのだろうか?

 こうして離れたらお世話ができないのではと思い尋ねてみると、卵は孵化部屋に置いたままだがアルケー君は一足先に草食島へと移動させてあるという。

 

 どうもアルケー君はかなり育ってきていて離れても大丈夫になったが、代わりに好奇心旺盛であちこちを歩き回ってしまうらしく、とてもあの肉食が湧き始めた危険な場所には置いておけなかったというのだ。

 逆に卵の方はまだまだ孵る様子が見えなかったがために孵化部屋に置いてきたらしいが、温度管理をしなくても大丈夫なのか……と不安になる俺にフローラは自信満々に頷いて見せた。

 何でもあれから孵化部屋も改良したらしく、完璧に温度管理は出来ているから問題は無いという……その言い方が少し気になるけれどフローラの事だから間違いはないだろう。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトルス(ケツァ君)
ユタラプトル
アルゲンダビス(アルケン達・アルケー君)
メガロサウルス(メガちゃん)
ティラノサウルス
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