五十八頁目
前回の遠征……というには余りにもお粗末なお出かけで全身ボロボロになったことで防具の重要性を再認識した。
何せ命が掛かっているのだ、最初から手元にある素材をふんだんに使って最優先で作らなければいけなかったのだ。
できれば鉄で鎧から何まで一式を作りたかったが、これがなかなか難しい上に資材を他の事に使ってしまったので諦めるしかなかった。
代わりに動物の皮を繊維で縫い合わせて皮の防具一式と、同じく皮と木材と繊維で木の盾を作ることに成功した。
これなら前の布装備とは違ってあっさり切り裂かれたりはしないだろう……問題は熱がこもる点だ。
おかげで汗が止まらなくて非常に厄介だ……この調子では喉の渇きが早くなりそうだ。
内陸部に出かけるのならば水を運ぶ手段が必要だろう、水筒みたいなものを作れないか考えてみよう。
五十九頁目
何とか動物の皮で水が漏れない入れ物を作ることができた……隙間から僅かずつ蒸発していくのはご愛嬌だ。
防具もできたしこれならば内陸部へと出かけても平気だろうけれど、残念なことに日が落ちてきてしまった。
まさか真っ暗な中を出かけて行くわけにはいかない……この島では何が命取りになるか分からないのだから。
何より無理してまでこの島を探索する理由は無い、ただ生きていくだけならばこの場所で十分やっていけるからだ。
一応鉄資源を多く集めたいという当面の目標こそあるが、それは絶対にやらなければいけない目的にはなり得ない。
そろそろ新しい目的を見つけるべきかもしれない……スピノを倒した時のような情熱を取り戻さなければ。
そう言えばあの時色々と後回しにしていたことがあったような……何だっただろうか?
六十頁目
何がどうなっているんだっ!? 訳が分からないっ!?
何か騒がしいと思って様子を見に行ってみれば何で二匹目のスピノがあんな近くで暴れているんだっ!?
おまけに慌てて帰ろうとしてまたしてもラプトルの群れに襲われて……防具と鉄の槍の有用性ははっきりしたがそんな事よりどうしてこいつらまでこんな場所にいるっ!?
この付近は安全な場所だったはずだっ!? なのにどうして急にこんな危険な肉食がわき始めたっ!?
まだ俺の拠点までは少し距離があるからともかく、この調子だといずれここにも湧き始めそうだ。
スピノだけだったりラプトルだけならばともかく、同時に襲われたらこの拠点でも対応しきれるとは思えない。
このままここにいては前の時の二の舞になるかもしれない……また移動を考えなければ。
【今回登場した動物】
スピノサウルス
ユタラプトル