四百三十九頁目
蝙蝠の次は地面に這うように近づいてくる蛇やムカデが現れたが、こいつらもオウ・ホウさんはあっさりと射貫いていく。
あれほど厄介だった敵……特に返り血が酸のようになっていてヤバいムカデすら接近をも許さず倒してしまう彼を見ていると、前の洞窟で苦戦していた自分たちが情けなく感じてしまう。
それでも数が数なだけに時々はオウ・ホウさんの足元までたどり着くが、それは狼たちが群れ成して噛み付いてあっさり倒してしまう。
おかげで後ろにいる俺たちは安全でやることがほぼない状態だった……のだが、少しだけ違和感を感じていた。
襲ってくる動物だが、どいつもこいつも前方にいるオウ・ホウさんではなく後ろに居る俺たちを目指しているように見えたのだ。
今までは手近な生き物に襲い掛かるばかりでこんなことはなかったから何がどうなっているのか不思議に思うが、そこへオウ・ホウさんが怪我をしていないかと尋ねて来た。
何でも野生の生き物の中には血液の匂いを嗅いだら弱っていると判断してそっちを狙う輩も少なくないらしい……思わず顔を見合わせた俺とフローラは必死に誤魔化すかのように首を横に振ってみせるのだった。
……仮にも命がけの洞窟に挑む前夜にすることでは無かったかもしれない……いや、だけど命がけだからこそしておきた……もう考えるのは止めよう、うん。
四百四十頁目
ある程度動物を一掃したところで更に先へと進むと、少しだけ広くなった空間があり、そこから道が三カ所ほどに分かれていた。
どうやって進むか軽く相談した俺達だが、とにかく迷わないよう右手の壁に沿って進むことにした。
果たしてまた細長い道を進んでいくと、先から無数の動物の鳴き声が聞こえて来て、同時に青い光が僅かに見えてきていた。
オウ・ホウさんはそれがアーティファクトではないかと少し興奮気味に尋ねてくるが、本物ならば波動というか振動音のようなものが伝わってくるはずだ。
だから良いものが入っているカプセルだろうと告げながら、ゆっくりと進んでいくと、またしても道の分岐点となっている広い空間があり、そこに無数の動物に埋もれるようにして逆四角錐型の青いカプセルが浮かんでいるのを見つけた。
少しがっかりしつつも、オウ・ホウさんは弓矢で片っ端から動物を殲滅していき、俺もまた狼をけしかけてとにかく安全を確保しようとした。
しかしそのせいで狼はその場にいる動物全てに噛み付いて行って……結果として隅の方で丸くなって眠っていたメガちゃんの同種を起こしてしまったようだ。
この洞窟の中で見て来た動物の中で、間違いなく一番強いであろうそいつは、咆哮を上げながら近くに居た狼を片っ端から咥え投げ捨ててながら強引にこちらへと……血の匂いのするフローラをめがけて迫ってくるのだった。
【今回名前が出た動物】
ティタノボア(蛇)
アースロプレウラ(ムカデ)
ダイアウルフ(狼)
メガロサウルス(メガちゃんの同種)