四百四十三頁目
動物たちの傷が癒えたところで改めて右側の壁に沿って進んだ俺たちは、水たまりのある広々とした空間へとたどり着いた。
しかもそこは僅かに天井の隙間から日の光が差し込めていて、かなり見通しが良くなっている。
尤も水たまりのせいで通れる道は相変わらず狭いのだが……おまけにその水たまりはかなり底が深い上に、その水中には無数のピラニアがモゾモゾと蠢いている。
これは落ちたらひとたまりもなさそうだ……だから脇の細い道を慎重に進んでいくが、ここでもまた天井付近に貼りついていたらしい動物が無数に襲い掛かってきた。
蝙蝠を始めとしてサソリ、蜘蛛、蛇やムカデまでもがボロボロと落ちて来て、そのままこちらに向かってくる。
しかし高品質の弓矢を装備したオウ・ホウさんの敵ではなかった……殆どが落ちてくるまでの間に弓矢で射貫かれてしまい、無事に地面に着地できたのはほんの一握り程度だ。
それらはすぐに狼が駆除していく……だから実質的な敵は蝙蝠だけと言って良い状態だった。
尤も所詮蝙蝠ではカルちゃんの同種や、或いは熊の鋭いパンチに耐えられるはずもなくやっぱりボロボロと落ちていく。
それでも少しだけは向こうの攻撃が届いてしまうが、そんなわずかな接触では頑丈な動物たちは当然として、金属の鎧で全身を覆っている俺たちの身体も傷つけることは叶わなかった。
おかげでこの襲撃も無事に乗り越えた俺たちがさらに進もうとしたところで、聞き覚えのある波動と振動が伝わってきたのだった。
四百四十四頁目
焦りそうになる気持ちを抑えながら進んでいくと、ついに俺たちの前にアーティファクトが姿を現した。
相変わらず神秘的な雰囲気を醸し出しているアーティファクトは、しかしなんと水たまりの中心に鎮座されていた。
一瞬水面に浮かんでいるのかと思ったが、よく見ればギリギリ人一人が歩いて通れるほどの細い足場が続いていて、その上に乗っかっているようだ。
もちろんそれを回収するにはその足場を通って行かなければならないが、水中にはやはりというか無数のピラニアがうようよしている。
もし足を滑らせて落ちたら一巻の終わりだろう……本当に洞窟の殺意はシャレにならない。
それでもオウ・ホウさんは自らが行くと言い、ワニから降りて歩き出そうとして……そんな彼にフローラが待ったをかけたかと思うと、例のフック付きロープをその身体に巻き付けた。
これなら万が一落ちても引っ張って回収できるというするのだ……フローラの応用力の高さを素直に褒め称える俺達。
そして改めてオウ・ホウさんはアーティファクトを回収に出向き……見事にその手の中に収めることに成功したのだった。
【今回名前が出た動物】
メガピラニア
オニコニクテリス(蝙蝠)
プルモノスコルピウス(サソリ)
アラネオモーフス(蜘蛛)
ティタノボア(蛇)
アースロプレウラ(ムカデ)
ダイアウルフ(狼)
カルノタウルス(カルちゃんの同種)
ショートフェイスベア(熊)
バリオニクス(ワニ)
【今回手に入れたアーティファクト】
賢者のアーティファクト