ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第181話

四百五十五頁目

 

 外に出るとちょうど日も陰り始めていて、今日のところはこれぐらいにしておこうかという話になった。

 そしてまた明日、同じ時間に火山の洞窟前で再開しようと約束したところでオウ・ホウさんは南にあるあの拠点へと戻ろうとした。

 そんな彼に何か不便はないかと……口外にメアリーとの関係についても訊ねてみたが、今のところは問題ないという。

 

 どうもあれ以来、彼女は新しく作った拠点に籠っているようでオウ・ホウさんは顔を合わせていないらしい。

 ついでに新しい生存者が来る様子も見られないようだ……これはやはり前に推測した通り、メアリーがあの場所に留まっているからなのだろうか。

 それはともかく、あのままあの場所にメアリーが居残り続けたらいずれ肉食達に襲撃されてしまう……もちろんオウ・ホウさんも同様だ。

 

 改めてそれをオウ・ホウさんに説明すると、彼は無理だと判断した時点で洞窟前に作った簡易拠点へと移り住むと口にしつつも、いなせるうちはあえて残って攻めてくる動物を仲間にしようと思っていると語るのだった。

 確かに襲ってくる強力な敵は上手く眠らせられれば一転して強力な味方になるし、オウ・ホウさんなら引き際を誤ったりはしないだろう。

 ただ問題はメアリーだ……果たして彼女は俺達の言うことに素直に従ってくれるだろうか?

 

四百五十六頁目

 

 一足先に南の拠点へと戻り始めたオウ・ホウさんに対して、俺は一旦フローラの居る火山の洞窟前へと向かうことにした。

 彼女と合流してからこの後のことを話し合おうと思ったからだ。

 果たして戻ってみると石造りの立派な恐竜小屋とその傍に複数人が暮らせそうな二階建ての住み心地の良さそうな住居が出来上がっていた。

 

 餌箱からご飯を美味しそうに食べている動物たちを見回しつつ、持たせていた素材を回収したカエルもそこへ放った上で、フローラの姿を探し求めて住居の中へと入っていく。

 するとお風呂場と思わしき場所からドア越しに水の音と可愛らしいフローラの鼻声が聞こえて来たではないか。

 もちろん手前の更衣室には彼女が来ていたと思わしき衣服とは別に、着替えようと思われる衣服が……何故か二着分用意されている。

 

 これはつまり俺にも入れと言っているのではないだろうか……うん、そうに決まってる……彼女の気持ちを無駄にするわけにはいかない。

 というわけで俺はにこやかに微笑みながら彼女の元へと向かうのだった。

 

四百五十七頁目

 

 色々と戯れた結果、お互いの身体を……綺麗にし合った俺たちは仲良く並んで歯磨きを済ませ、軽くキスをしてから衣服を着こんだ。

 そして外へと出ると、時間をかけすぎたのか既に外は夕日を通り越して真っ暗になろうとしているではないか。

 尤もケツァ君の背中に乗り電灯を点灯させれば移動には何の問題も無い。

 

 だからちょっと疲れて居そうなフローラをケツァ君の背中にあるベッドに寝かせると、俺が手綱を握ってケツァ君を操り空へと浮かび上がらせた。

 その上でこの後どうするか軽く話し合う……個人的にはこのまま真っ直ぐ草食島に帰って続……一緒に休みたいところだが、メアリーというかあの場所の状態がどうなっているかも少しだけ気になる。

 何よりオウ・ホウさんだけにメアリーを始めとした新しく来るかもしれない人の相手を任せるのもどうかと思うのも事実だった。

 

 そしてフローラも自らが作り上げた拠点に引きこもっているメアリーが気になるらしく、一度様子を見に行こうという話になった。

 だからケツァ君を操りそちらの方向へ向き直らせた……ところで進行方向の先で、空に向かって信号弾が放たれるのを目撃してしまうのだった。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトルス(ケツァ君)
ベールゼブフォ(カエル)
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