六十四頁目
何とかスピノに見つからず駆け抜けることに成功した、残した仲間たちも無事ラプトルを倒したし彼らには非常時には逃げるよう指示を出してあるのでもしもスピノに襲われても全滅はしないだろう。
こうなると後は目的地である空に浮かぶ謎の建造物を目指すだけだ、赤い輝きを放つそれは昼間であっても非常に目立つので道に迷う心配はないだろう。
尤も道中、崖や谷がありそうで迂回しなければならない場面は多そうだが……とにかく足を滑らせて落下死などという間抜けな終わり方だけはしないように気を付けなければ。
それだけではない、危険な肉食類にも気を付けなければ。
今のところは亀を中心にした草食ばかりで、時折エリマキトカゲが出るぐらいだけどいずれはもっとデカい奴も出て来そうだ。
小さい奴はパロロ君の咆哮でビビってくれるけれど、それで対応できず足でも振り切れない奴が出てきた時は槍とクロスボウで何とか対処しなければ。
特にクロスボウはパロロ君の背中から騎射のように打ち出せるから、上手く操れればそうそう負けないはずだ……上手く出来ればだが。
六十五頁目
今のところ旅は順調だ、たまにラプトルが襲い来るぐらいでもうその処理も慣れてきた。
しかしあの場所を離れたからか、新しい恐竜が目に付くようになってきた。
その中でも感激したのは、やはり背中の背びれと尻尾の棘が有名なステゴサウルスに大空を自由に飛ぶプテラノドンだ。
特に俺より大きな巨体で空を舞うプテラノドンなど、思わず魅入ってしまった。
某子供向けアニメ映画にも出ていたが、やはりあんな大きな生き物が空を飛んでいる姿は何やら男心を揺さぶるものだ。
それこそ物語の世界みたいにアレの背中に乗って飛んでみたいけれど、確かそんな力はないようなことを何かで読んだ記憶がある。
そもそも空を飛んで逃げれる奴を仲間にする方法など思い浮かばない、残念だけど諦めるしかなさそうだ。
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さらに新しい恐竜……というより生き物が増えてきた。
モソモソ歩く四つ足のなんか鈍そうな生き物、こいつは意識のある時点で俺の持っている果実に興味を示してくれた。
実際に食べさせてみるとそのまま懐いてくれて、モソちゃんと名付けたそいつは背中が広いからサドル無しでも乗ることができた。
足が遅いから普段はパロロ君に乗せて護衛代わりに後ろからついて来てもらうようにした……言っちゃなんだが使い道が少なそうなので拠点に戻って確保する必要はないと思う。
しかし同じ様な生き物を道中見つけたけれど、こいつらは果実には見向きもしなかった。
ひょっとして個体によって好みが違うのかもしれない……贅沢な奴だ。
もう一匹、海岸沿いを歩いていたら三葉虫が実際に動いているところも見れた。
もしも俺が生物学者なら感激するところだが……まあ化石でしか見たことのない奴が動いているから本当は少し感動したけれど。
本当にこの島は絶滅動物の博覧会状態だ、何でこんなところに人間の俺が紛れているのか不思議で仕方がない。
……本当はとある可能性が思いついているけれど、それは考えないようにしておこう。
【今回登場した動物】
スピノサウルス
ユタラプトル
カルボネミス(亀)
ディロフォサウルス(エリマキトカゲ)
パラサウロロフス(パロロ君)
ステゴサウルス
プテラノドン
モスコプス(四つ足の鈍そうな奴・モソちゃん)
三葉虫