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洞窟に入ってからずっと右手の壁沿いに進んでいたのだが、正面に現れたその飛び地を前にどうするかオウ・ホウさんと少し相談する。
まさかジャンプして渡る所があると思っていなかったのだ……尤も俺たちの乗っているワニを含めて連れている全ての動物が軽く飛び上がることぐらいはできる。
だから勢いをつけて跳んでいけば問題なく渡れるだろうけれど、落ちた時のリスクを思うと判断が難しいところだった。
更に渡った先ではまだこちらに気付いていない様子の蝙蝠らしき飛翔生物の影がチラチラしていて、一時的にとは言えパーティが分断されるのも危険に思われた。
二人で頭を悩ませつつ、とりあえずもう少し周りを見て回ることにした俺たちは……そこでまだ右手の壁越しに細い通路が続いていることに気が付いた。
流石にジャンプを強制するほど極悪じゃなかったのかと安堵して俺たちは早速その道を進んで……やっぱりその先で通路が寸断されているのを見てげんなりしてしまう。
尤も前に見たところと違い、いかにも飛び移りやすいように両側から足場が迫っているために対して勢いを付けずとも飛び移れそうだ。
おまけに飛んだ先の足場はかなり広々としている……これなら落ちる心配はないだろうし、もう少し先に進んでみても良いだろう。
四百七十五頁目
共に連れている動物たちに指示を出すが、落ちた先にマグマが流れているのが分かっているのか、どうしてもしり込みしてしまう。
それでも俺たちが直接乗っている奴は指示を出せば従ってジャンプしてくれるのだが……多分俺たちが背中に乗ってることで運命共同体だと理解して落ち着くのだろう。
しかし幾ら何でも護衛を置いて乗っているワニだけで先に進むのは危険すぎる……何かいい方法が無いか持ち物と合わせて考えて思いつく。
まず俺の持っているロープ付きのグラップリングフックを体に巻き付けた状態でオウ・ホウさんが一匹の動物に乗って向こうへと渡った。
そして一旦動物から降り、それを伝ってこちらへと戻り再び別の動物に乗って移動して……を繰り返すのだ。
尤も足場の途切れ目はぶっちゃけ普通に人力でのジャンプですら乗り越えられる程度だったので、グラップリングフックは命綱替わりに過ぎないのだが。
とにかくこうしてこの場を乗り越えた俺たちはまた右手の壁を見失わないように進み……すぐにまた同じような飛び移らなければいけない道の途切れ目にぶつかった。
これもまた足を踏み外す危険が少なそうだったので、命綱作戦で越えてさらに進もうとして、また同じように狭いけれど途切れている道にぶつかる。
しかし今度は飛び越えた先が人の背丈以上に低くなっていて、飛び降りる分には問題なさそうだが戻る際には段差ごと飛び越える必要が出て来る。
もちろん相当のジャンプ力が無ければ戻ることは不可能だろう……俺達の連れている動物の内カエルならば問題はないだろうが他の奴らではどうにも……。
ただ先の方を見るに、ここさえ超えれば再び洞窟の壁に覆われた通路が続いていてしばらくはマグマに悩まされる心配はなさそうだ。
進むべきか戻るべきか……改めて俺はオウ・ホウさんと頭を悩ませるのであった。
【今回名前が出た動物】
バリオニクス(ワニ)
オニコニクテリス(蝙蝠)
ベールゼブフォ(カエル)