ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第193話

四百七十六頁目

 

 とりあえずジャンプ力のあるカエルならば行って戻って来れるのは確実だろう……そして人間もまたフックを使えば戻ってくることは可能だ。

 だからカエルに乗って先に進む案が出るが、もしもこの先に敵がいたらカエルだけでは心もとない。

 また一度引き返してこの段差を乗り越えられそうな生き物を捕まえて再チャレンジすることも考えたが、入り口の狭さを思えばそんな生き物が都合よく入って来れるとは思えなかった。

 

 実際に俺の知っている壁を乗り越えられるレオ君の同種などは確実に入れない……何よりこの先にも別の障害があるかもしれないのだ。

 だからこの場で引き返しても二度手間三度手間になる可能性は高い……尤も安全性を思えばそのぐらいの苦労は買って出る必要があるかもしれないが、それでも今現在そこまで危機的状況ではない。

 せめてあの見えているところぐらいまでは探索したいと思い、色々と悩んだ結果……もう少しだけ進んでみることにした。

 

 俺達はカエルに乗り換えて、ワニと狼と豚は待機させて……そして酷い話だがどこでも捕まえられるラプトル六匹は護衛代わりに戻れないことを前提に連れて行くことにした。

 こんな洞窟の中に閉じ込めるのは悪いとは思うが今までの経験上、そんな仏心を出して護衛を疎かにするとろくなことにならないからだ。

 そうしてラプトルを前衛に出し、俺たちは足場を踏み外す危険性もなくなったことでグラップリングフックから武器に持ち替えて後を付いて先へと進んでいく。

 

 相変わらず右手の壁に沿って狭い通路を通り抜けていくと、先の方に開けた空間と今までで一番赤く照らされて熱波が放たれている場所が見えてくる。

 しかもそこにはかなりの数の蝙蝠が……一瞬戦うべきか悩んだが、その前に向こうが気づいて襲い掛かってきた。

 こうなるともう戦うしかない……早速オウ・ホウさんが弓矢で敵を射抜いていく中で俺はラプトル達と協力して地面に落ちた個体の息の根を確実に止めていくのだった。

 

四百七十七頁目

 

 襲ってくる敵を倒し終えて安全を確保したところでフローラのドリンクを飲み喉を癒しながら広がっている空間に足を踏み入れた俺達。

 するとそこはマグマが床の殆どを埋め尽くし川のように流れていた……通りで今までで一番熱くまた赤く照らされているわけだ。

 これでは先に進みようがないかと思ったその時、ふいにオウ・ホウさんが俺の肩を叩き奥の方を指し示した。

 

 果たしてそこには、見慣れた謎の波動を放つアーティファクトがあるではないか。

 アーティファクトのところまでたどり着けたことに一瞬感激した俺だが、すぐにそれのある場所に気付き愕然としてしまう。

 何故ならそこはマグマの川の中に浮かぶ小さい小島の上であったのだから。

 

 あんな場所までどうやって行けばいいのかと周囲を見回すと、ちょうど俺たちとアーティファクトのある小島との間に、いかにも飛び移れとばかりの別の足場がマグマから顔をのぞかせていた。

 一応足場と足場の間は全て飛び移れなくもないほどで、カエルならば問題なく行けそうではあるが……落ちた時のリスクがシャレにならない。

 何よりアーティファクトのある小島の上にはサソリがちらほらと……蝙蝠も近くを警戒しているように飛んでいる。

 

 もしも飛び移ってる最中や、飛び移った瞬間に攻撃されたらマグマに叩き落とされてしまうかもしれない……本当にこの島の洞窟は悪意の塊だ。




【今回名前が出た動物】

ベールゼブフォ(カエル)
ティラコレオ(レオ君の同種)
バリオニクス(ワニ)
ダイアウルフ(狼)
ダエオドン(豚)
ユタラプトル
オニコニクテリス(蝙蝠)
プルモノスコルピウス(サソリ)
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