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もう一度、どうするか相談した俺たちだが目の前にアーティファクトが見えていることもあり戻るという選択肢は考えつかなかった。
むしろどうやってここを攻略するかだけを話し合い、とにかくまずは邪魔者を駆除しようというところから始まった。
つまりこの場所から対岸に見えている敵を片っ端から射貫き、処理できるだけ処理してしまおうというのだ。
これは思った以上に上手く行き、一匹が引き寄せられるとその鳴き声で他の奴らもこちらに気付いてほぼ全員の注意を引くことができたのだ。
おまけに小島の上にいるサソリたちは俺達を攻撃しようとする余り足を滑らせてマグマへとどんどん落ちていく……おかげで蝙蝠だけ対処すれば問題なくて、之はオウ・ホウさんの弓矢であっさりと片が付いた。
後はどうやってこのマグマを飛び越えていくかだけだが……これも結局は今までと同じでフックを利用して行こうということになった。
つまりカエルの背中に乗った状態でグラップリングフックを構えて置き、万が一落ちそうになったらこれを適当な場所に打ち込んで、上に乗ってる人間だけでも避難しようというのだ。
更に念には念を入れて……複数人で行って同時にマグマに落ちてはお終いだからと、俺のフックとロープを命綱替わりに身体へと絡めたオウ・ホウさんが一人で向かうことになった。
……こんな危険なことまで任せて申し訳ないが、確かに二人で向かうより一人がここで待機して万が一の際にはロープを引っ張ったほうが安全だろう。
そして渡った先に敵が残っている可能性を思えば……アーティファクトを取った瞬間に敵が襲ってくる可能性もあるしいざという時に対処できるオウ・ホウさんがあっちに向かうのは当然だった。
尤もこっち側に敵が湧く可能性もあるが、その場合はラプトルと協力して俺が倒せばいいだけだ。
とにかくそうして話が決まったところで、オウ・ホウさんは神妙な顔つきでカエルの背中に乗り手綱を引いてマグマを飛び越え始めたのだった。
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果たして無事に向こう側へと付いたオウ・ホウさんはアーティファクトを回収した……瞬間に天井から落ちて来た巨大トカゲに襲われそうになる。
しかし落下音で気づいていたのか、咄嗟に前方の僅かなスペースに飛び込み前転して距離を取ったオウ・ホウさんは流れるような動きで弓矢を抜き去り、トカゲの脳天へと直撃させた。
それでも動こうとするトカゲだがそこへ追撃とばかりに二射三射と射貫かれ、すぐに力なくその場に崩れ落ちたではないか。
余りの手並みに感激している俺だが、そこでドサリと背後に何かが落下してくる音が聞こえて来た。
即座に振り返ったところで、そこにも天井から落下してきたと思わしき巨大トカゲがこちらに牙をむいていて……慌ててラプトルをけしかけつつクロスボウから石の矢を放つ俺。
こちらはオウ・ホウさんほど手際よくいかなかったが、それでも数の暴力で押し勝つことに成功して一息ついた……時には既にオウ・ホウさんが戻って来ていた。
後はもう殆ど問題もなく今度は左側に見える壁に沿うようにして来た道を逆走し、例の段差でラプトルと別れながらカエルの跳躍力でもって無事にワニ達と合流を果たした。
そして同じ様に来た道を戻り、途中で途切れている足場を飛び越え……湧いてきた蜘蛛とエリマキトカゲを蹴散らしつつ、何とか洞窟の外へと戻ることに成功したのだった。
【今回名前が出た動物】
プルモノスコルピウス(サソリ)
オニコニクテリス(蝙蝠)
ベールゼブフォ(カエル)
メガラニア(巨大トカゲ)