四百八十五頁目
大体の事情を聞き終えたところで今度は俺達の首尾がどうだったのか尋ねてくるフローラ。
そんな彼女に持ち帰ってきたアーティファクトを見せてあげると嬉しそうに微笑みながら、俺たちの努力を湛えてくれる。
残る二人も初めて見るアーティファクトの不可思議な輝きを興味深そうに見つめていて、特にメアリーは自分の居城に飾ったら似合いそうだと呟いていた。
少しだけ奪われないか心配になったが、意外にもメアリーはそれ以上何を言うこともなく……むしろ上から目線ながらも俺達をねぎらう言葉を発してくれた。
数日前とは打って変わった余りの態度の違いに驚く俺たちはメアリーを見つめてしまい、すると彼女は何やら顔を火照らせながらも照れ隠しするように気安く見るなと呟き彼方を向いてしまう。
しかしその言い方はやはりかつての様な厳しい口調ではなくて……俺達に打ち解けようとし始めているのがはっきりと伝わってきた。
マァもまた協力的であるし、それもこれもフローラが頑張ってこの島の状況を説明して……何より笑顔で接し続けてくれたおかげだろう。
考えてみれば初めてこの子に会った時から俺は精神的に救われっぱなしだ……他の人達もきっと……この子がいてくれて本当に良かったと俺は何度目になるかわからない思いを抱くのだった。
四百八十六頁目
外で話している間に時刻は夕暮れに差し掛かり始めて、そこで一旦場所をメアリーの居城へと移して会話の続き……というより今後の方針について話し合うことにした。
オウ・ホウさんの住居ではなくてこっちに来た理由は単純に広さと、電灯が使えるかどうかの差であったが、もうメアリーは俺達が出入りすることにも抵抗はなさそうだった。
尤も二階部分にある居住区には立ち入り禁止とのことで、一階にあった客間と思しき部屋に通されたのだが……そこにはオウ・ホウさんのところにあった戦略図が移動されてあった。
しかも戦略図に書いておいた印が二つほど増えているではないか……細かく見てみるとそのうちの一つは俺すら知らない洞窟であり、もう一つは……超巨大生物と書かれているではないか。
何でも洞窟の方はメアリーがアルケンCに乗ってこの島をさ迷っていた際にたまたま見つけたらしく、フローラと話し合って大体の位置を確認したところ未知の洞窟であると判明して慌てて書き足したようだ。
だから印自体は結構広範囲に描かれているが、崖の下にあったという情報とその崖を飛び越えて見たところで正面に緑のオベリスクがあったという話を総合して考えると、細かい位置を特定するのもそう難しいことではないだろう。
そしてもう一つの方の超巨大生物の方はマァが生き物を捕獲して回っていた際に見つけたらしく、何でも赤いオベリスクの傍をうろついていたのだという。
首の長い四つ足の生き物だったと語るマァ……てっきりブロントサウルスのことでは無いかと思ったが、話を聞く限りその何倍も大きくてまるで山の様な巨体だったらしい。
正直信じがたい……そんな生き物がいるだなんて聞いた覚えはないし、何より確か陸上で活動する生物の限界点がどうのとか言う話を聞いた覚えがある。
だからそこまで規格外な生き物が自然に生まれるはずが……尤もこの島ならあり得ても不思議ではないが幾ら何でも……そんなのまるで怪獣じゃないか。
【今回名前が出た動物】
アルゲンダビス(アルケンC)
ティタノサウルス(超巨大生物)