ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第199話

四百八十七頁目

 

 超巨大な動物の方はともかくとして、新しく見つかった洞窟は早めに調査して攻略に必要な準備を確定させておきたいところだ。

 これはオウ・ホウさんが明日の朝一で様子を見に行ってくれるとのことで、上手く行けば昼過ぎにこの場所へ戻って来て改めて俺達と攻略について相談したいという。

 もちろん否定する理由もなく頷いたが、どうせなら俺も協力しようかとも思った……がそこでフローラが新しく作りたい物があるから一緒に行動して素材集めと鉄のインゴット造りに専念しようと頼み込まれてしまった。

 

 残ったメアリーとマァは襲撃イベントが始まるまでは、今日と同じ作業を続けてどんどん仲間の動物を増やしていくつもりらしい。

 ……少しずつ皆で作業が分担できるようになってきて、何やら本格的に俺たちはチームとして活動出来ているような気分になってきて、それが何だかとても楽しく感じられた。

 だから思わず笑みを零したところをメアリーに見られてしまい、追及されて思ったことをそのまま口にする羽目になる。

 

 そこで誰かがぼそりと……小さく独り言のようにトライブ、と呟いた。

 何故その言葉だけ翻訳されていなかったのかわからない……だけど俺にはその言葉の意味が仲間とかチームを指し示す言葉なのだと何となくわかってしまう。

 果たしてそれは他の皆も同じようで、実際にマァがトライブ?仲間?家族?と疑問形ながらも頷きながら口にした。

 

 思わずお互いに顔を見合わせた俺たちはその言葉に少しだけ戸惑いつつも、気が付いたら自然に微笑んでいて……はっきりと頷くのだった。

 そう、俺たちはこの島で生き抜いていく大切な同士として結託した仲間……トライブ、だ。

 

四百八十八頁目

 

 トライブという集団を結成した俺たちはどこか楽しい気分になりながらも、外が明るくなったことで一旦解散することとなった。

 オウ・ホウさんは藁づくりの家へと戻り、マァは子供な上にメアリーに懐いているからか特別にここで寝泊まりすることを許されている様子だ。

 俺達もまた自分の家に戻るべくケツァ君に乗り込み、アルケンBCとペアラちゃんを他の皆の闘争手段として残した上でこの場を後にした。

 

 二人きりになってからも俺達の気分は高揚したままだった……どうやらきちんと仲間として口にしたことで今まで以上に連帯感が生まれて、色々と心強く感じられるようになったようだ。

 実際に皆で手分けしてやることも増えているし、この調子ならそのうち小さな集落をつくることもできるのではないだろうか。

 それを想像してまた楽しくなる俺……もう寂しさや孤独感とはお別れだ。

 

 尤もまだまだフローラと二人きりの生活を堪能したい気持ちも強くて、だから一緒に暮らそうとは思えなかった。

 これはフローラの方も同じ気持ちのようで、何れはと前置きした上で小さい集落でも作れたら楽しそうだよねと微笑みながら語ってくるのだった。

 確かにいつかはそうなってもいいかもしれない……小さい村を作ってそこで皆と……これからも増えていく人間と協力して仲良く暮らしていく日々を想像してしまう。

 

 ……その際に俺とフローラが同じ家で夫婦として暮らしていて……彼女の腕の中には小さい赤ん坊が抱きしめられているところを妄想してしまい、余計に俺は頬が緩んできてしまうのだった。

 そして俺は、遠くない未来にそんな日々が来るのだと信じて疑いもしないのだった。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトルス(ケツァ君)
アルゲンダビス(アルケンBC)
タペヤラ(ペヤラちゃん)

【新しく見つかった洞窟】

UpperSouthCave(群衆の洞窟)
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