ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第200話

四百八十九頁目

 

 気分が高揚していたこともあってか、俺たちはこのまま真っ直ぐ帰るのが惜しい気持ちになっていた。

 日が落ちて暗くなる世界の中でも電灯に照らされている俺たちの周りは明るくて、むしろロマンチックにすら感じられて……夜間のデートでもしようとどちらからともなく呟いていた。

 そして俺たちは目的もなく飛び始めようとして……そこで夜空に赤く照らされたオベリスクが目に飛び込んできた。

 

 どうせ目的もなかったことだし、あの場所にいたという超巨大な生き物も気になると早速其方へと向かった俺たち。

 二人で手を繋いだり肩を抱いたり顔を寄せ合って……とにかくイチャイチャしているとあっという間に目的地へと到達した。

 少し名残惜しさを感じつつも周りを見回して……すぐに気が付いた。

 

 何せマァの言う通り本当に山の様な巨体をしているのだから、目に入らないわけがない……真夜中の闇の中ですら空気を割いて、大きな振動を鳴らしながら移動するそいつは圧倒的なまでの存在感を放っていた。

 見た目こそブロントサウルスによく似ているもののサイズが桁違いだ……本当に怪獣なんじゃないかとすら思えて仕方がない。

 尤も草食だからか周りの動物に襲い掛かったりはしていないようだが……それでも足元に居る動物はトリケラサイズですら蟻のように踏み蹴散らされている辺り、恐ろしい限りだ。

 

 ここまで巨体だと草食ですら脅威に感じてしまうぐらいで、本当に肉食でなくてよかったと心の底から思った……ところで俺は前に見たもう一匹の巨大な肉食について思い出した。

 流石にあいつですらこいつに比べれば小さく見えるけれど、それでも肉食な分を考慮すればどちらが危険かは甲乙つけがたいものがあった。

 だからどちらかを仲間に出来れば島での暮らしにかなり余裕が持てそうな気がした。

 

 逆に言えばこの二匹のどちらかに万が一にも襲われた時のことを思えば捕まえておくに越したことはない……そう判断した俺は早速フローラにそのことを相談してみた。

 果たして彼女はすぐに頷いてくれて、その上で身体があまり大きすぎると麻酔の効きがどうなるかわからないからと言って肉食の方を捕獲してみようと言ってくれた。

 ただ相手が相手なだけに慎重にしたほうが良いということになり、ケツァ君の上から打つのは当然として、ちゃんと捕獲用の罠も造ろうちう話になった。

 

 それらの準備を済ませた上で二人の時間が空いたときにでもやってみようという話になり、具体的にはメアリーの見つけた洞窟が攻略可能ならばそれが終わってからにしようと決まった。

 何せ他に見つかっている洞窟は毒ガスにあの豪雪地帯の極悪な場所であり、未だに安全に洞窟内を進む方法すら見つかっていないのだ……だからその方法を模索する間に時間ができるだろうと判断したのだ。

 あいつさえ捕獲できればもう襲撃イベントすら恐れるには足らなくなるはずだ……俺達トライブの安全で快適な生活のためにも何が何でも成し遂げてやろう。

 

 

 追記

 

 ごめん、フローラ……俺がこんなことを言い出さなければ君は……。

 本当にごめん……俺が馬鹿だったから……。

 仲間よりなにより君のことが大切だったのに……君だけを守り抜ければそれでよかったのに……。

 

 もう何もやる気が起きない……最後に日記を読み返しても過去の愚かすぎる自分への殺意が高まるばかりだ……尤もこれからすることを思えばちょうどいいけれど……。

 なあフローラ……あの世って本当にあるのかな……あったらいいな……そしたら日記を読み終えた頃には……もうすぐ君に会えることになるんだから。




【今回登場した動物】

ティタノサウルス(超巨大な恐竜)
ブロントサウルス
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
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