四百九十四頁目
割り切った様子で有機ポリマーを回収し終えたフローラと共に、ついで水の中にある真珠も回収していく。
しかし豪雪地帯の水の中は文字通り凍るように冷たい……というか痛いほどで、中々効率が上がらない。
おまけに水に濡れるとせっかくの毛皮の防具も一転して防寒機能を失ってしまうのだから余計に大変だ。
フローラも困った様子だったが、いっそのこと毛皮ではなくダイバースーツのような水に濡れても防寒機能が失われない防具を作ってみれないかと考え始めた。
さらに水中での活動時間を上げるために酸素ボンベも作ってみたら色々と便利そうだとも呟くフローラ……果たして左手首の鉱石を見たらあっさりと作り方が思いついてしまったようだ。
尤もセメントを使わなければいけないので、やはりこれも回収する必要がありそうだがそのためには毒ガス洞窟へ……と思ったところでピンとくる。
もしも酸素ボンベを作ることが出来たら……上手くいけばそれで毒ガスを吸わずにあの洞窟を攻略できるようになるんじゃないだろうか?
四百九十五頁目
ここで回収できる素材を回収しきったところで正午に近づいたこともあり、一旦南の海岸へと戻ることにした俺達。
その間、フローラはケツァ君の背中で少しでもセメントを増やそうと石とキチンをすり鉢で潰して混ぜ合わせていた。
しかしある程度作ったところで、これだけあれば行けるかもと呟き、次いで旋盤にそれらの素材を持ち寄り何かを作り始める。
気にはなったけれど、フローラが出来るだけ揺れないようにしてほしいと言うのでケツァ君の操縦に専念しなければならず、何を作っているかは確認できなかった。
しかもかなり大掛かりな物を作っているのか、南の海岸に移動が終わってもなお、フローラは先に降りててと作業にかかりきりだった。
一体何を作ろうとしているのか……これが出来ればすり鉢の時代は終わりだ、などと言っているが果たして……。
四百九十六頁目
フローラを置いて集合場所である居城へと向かっていると、唐突に何か硬い物が砕かれる物音が聞こえて来た。
何か危険な生き物でも近づいてきたのではと慌てて音源を確認に向かった俺は、そこであちこちにある岩を打ち砕いて回るアルマジロを発見した。
どうやら昨日マァが捕獲した生き物のようだが、背中に誰も乗っていないにも関わず自主的に動いて岩を壊して回っていることに驚いてしまう。
しかもアルマジロが壊した岩はある程度の形を保持していて、火打石としては使えそうにないが石材として使う分には適切なサイズになっているではないか。
意外と石は色んな用途で使うからこうして自動で準備してくれるのはありがたい限りだ……そう言えばビーバーも同じように放置しておいても勝手に木材を集めようとしていたではないか。
ずっと傍にいて指示を出すことばかり考えていたが、動物たちの中にはこういう使い方ができる奴もいるようだ……そう考えるとやっぱり新しい仲間を集めるに越したことはなさそうだ。
仲間達の新しい可能性に気付いた俺は、更にこれからの生活が楽になりそうだと希望を抱きながら居城へと向かおうとして……何やら隣の動物小屋から言い争うような声が漏れているのを聞いてしまうのだった。
【今回名前が出た動物】
ドエディクルス(アルマジロ)
カストロイデス(ビーバー)
ロストアイランド始めました……やっぱり自然の中を散策するのはサバイバル感があっていいですねぇ本当に。
なおいきなり洞窟らしきものを見つけて、レベル上限越えの蜘蛛に嬲られた模様……皮の寝袋が無ければ即死だったぜ……。