ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第208話

五百三頁目

 

 各々の主張をまとめると、オウ・ホウさんは俺と共に洞窟探索を求めており、そのためにはケツァ君で動物を移動させる必要がある。

 次いでマァはアルケンでは掴めない大型動物の捕獲がしたいらしく、やっぱりケツァ君を求めている。

 メアリーは居城内に残って産まれてくる子供を含めた動物のお世話と特殊な効果のある料理や薬を作るつもりらしいが、そのためには麻酔薬がもっと必要だと告げている。

 

 最後にフローラは大型の工業炉の作成を行おうとしていて、材料となる素材集めに誰かの手を借りたいと言っている。

 もちろん素材を持ち運ぶためにはケツァ君が居たほうがいいだろうし、化学作業台は聞くところによるとケツァ君の背中に配置したというから、麻酔薬作りにもケツァ君が必要不可欠だ。

 ……皆が皆、ケツァ君を求めている……背中に設備を配置できることも含めて、本当に便利すぎる奴だがこうなると少し困ってしまう。

 

 ケツァ君がまだ一匹しかいない以上は効率よく使い回すしかない……一度に複数人同時に乗れるのだから、うまく予定を立てれば不可能ではないはずだ。

 まずメアリーには現在出来ている麻酔薬から今日使う麻酔矢と弾分を抜いただけの全てを渡しすことで納得してもらえた。

 次に俺達は飛行生物を連れた状態で四人揃ってケツァ君に乗り込み、まずはオウ・ホウさんが洞窟攻略に使う動物の運搬を行う。

 

 そしてそこで俺とオウ・ホウさんは洞窟攻略するために分かれ、フローラとマァはそのままケツァ君に乗って素材集めと動物の捕獲を同時に行ってもらうことにした。

 これならマァが動物を探してケツァ君を移動させている間、フローラは麻酔薬などを作っておける。

 更に動物を眠らせた後、起きるまでの間に二人で協力して近場の素材を集めることもできる……だからこれが最善だと判断して皆に話すのだった。

 

 ……個人的にフローラと共に行動できないのは寂しいが、こればっかりは我慢するしかないだろう。

 

五百四頁目

 

 果たして俺の意見は皆に受け入れられて、早速俺達は行動に移った。

 メアリーの為にアルケンCを置いて、残るアルケンABとペヤラちゃんを追従させた上で、アルマジロの砕いた岩を含めた調合に使える素材をケツァ君に積み込んでいく。

 その上でメアリー達がこの場に残って時間が経ち過ぎているから万が一、襲撃された際はテリ君とサーベルタイガーに戦わせてみて、それでも無理そうなら身一つでいいから遠慮なく逃げるように告げておく。

 

 しかしメアリーは素直に首を縦に振ってくれなかった……それはこの城から離れたくないという我儘、ではなく産まれたばかりの子供達を置いて行きたくないというのだ。

 理由が理由なだけに困ってしまうが、それでも俺とフローラは気持ちはわかるけれど動物達よりメアリーの命の方がずっと大事だとはっきり告げてお願いだからいざとなったら逃げるように再度口にした。

 すると彼女は複雑そうな顔をしながらも最後には頷いてくれたので、ようやく安堵することができた。

 

 尤も石造りの建物を壊せる奴が最初の襲撃から湧くわけはないと思うので杞憂だろうけれど……どうしても不安になってしまうのは、この場所で作った住居が今まで何度も壊されてきているのを見ているからだ。

 最初は俺が作った建物がドーちゃん達と共にスピノに壊され、ほんの少し離れたところに作った俺の第二の住居もフローラを匿った際にあの特殊なラプトル達に……。

 ……二度あることは三度あるなどという諺が本当にならないことを祈るばかりだ。




【今回名前が出た動物】

ケツァルコアトルス(ケツァ君)
アルゲンダビス(アルケンABC)
タペヤラ(ペヤラちゃん)
テリジノサウルス(テリ君)
サーベルタイガー
ドードー(ドーちゃん)
スピノサウルス
αラプトル(特殊なラプトル)
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