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少しだけ後ろ髪惹かれながらも海岸を飛び立った俺達は、すぐに前に攻略した洞窟へ付くと狼四匹とワニにカエル、それに豚をそれぞれ二匹ずつ乗せて次なる洞窟へと向かった。
果たして丁度ケツァ君を始めて見つけた辺りに降り立つと、俺が見たことのない洞窟が目に飛び込んできた。
相変わらず洞窟の入り口は絶妙に木や崖の影になる形に配置されており、わざと見つかりにくいようになっている気がする。
そして多分それは正しい……この島の管理人はこういう探索能力も含めて人を試しているのだろう。
……そう考えてみると仲間とは言え自力ではなく他人に洞窟を見つけて貰ったのは初めてだが、何だか反則してしまったような気分になってくる。
尤も今まで他の人達に教えていたのだし代わりに教えてもらっても何も問題はないはずだ。
何よりこういうふうに仲間で協力し、手分けして各作業を行ったり情報を共有するのもトライブの強みなのだから、何を遠慮することがあろうか。
……だけどなんかちょっとだけ悔しいような勿体ないような……残る二つの洞窟は、出来れば自力で見つけ出したいものだ。
五百六頁目
オウ・ホウさんと共に寒さ対策用の毛皮装備に着替えてケツァ君から降りようとしたところで、何故かフローラが俺の服を摘まんで引き留めて来た。
そして寂しさと不安が入り混じったような表情で無理しないでねと呟いてきた。
どうやら俺と同じで、フローラも別行動することに思うところがあったらしい……そんな可愛い恋人に笑顔で頷き返した。
それで納得してくれたのかフローラも手を放してくれて、俺は今度こそ帰りの足としてペアラちゃんを連れて降りると飛び立っていくケツァ君に手を振って一時の別れを告げた。
去り行くケツァ君に向かい二人も無理しないよう叫んだ後でペアラちゃんを安全そうな崖の岩の上に着陸させ……その際にペアラちゃんが垂直な壁に貼りつけるという一面を発見した。
尤も今は気にしても仕方がない……俺は改めてオウ・ホウさんと視線を交わし、早速洞窟へと入っていく。
いつも通り護衛の狼を先導させ、その後ろをワニに乗ったオウ・ホウさんと俺が続き、その後ろから豚とカエルを追従させる。
これで六回目の洞窟攻略、しかし油断は厳禁だ……さあ気を引き締めていこうっ!!
五百七頁目
木の根と思わしきものがあちこちに蔦っている洞窟内を、右側の壁に沿って進む俺達。
この洞窟は確かにオウ・ホウさんの言っていた通り通路はとても狭くうねっていて、二人で並んで進むのも難しいぐらいだ。
しかしその通路自体はそこまで長くなく、途中途中で大きい広間に繋がっていて、逆に進む道がわからなくなりそうだった。
おまけに他の洞窟の例にもれず、ここもところどころに生えている水晶と仄かに光る謎の植物だけが光源であり、余りにも薄暗くて松明が無ければ先を見通すのも一苦労だ。
だから必死にオウ・ホウさんと共に右手側の壁だけを見失わないようにして進んでいく。
おかげで途中に下手な木のように巨大なキノコが生えていたが、そちらに近づくのも躊躇われてしまった。
尤も這い上がれなそうな岩の上に生えていたから素材として回収するのは難しそうだが……と、そこでふとあることを思いつく。
考えてみたら洞窟内には金属鉱石や水晶などの素材が転がっているし、また壁を這いずるトカゲの様な外では見られない特殊な動物も生息している。
だからフローラとマァも一緒に連れてくれば、或いはもっと効率よく行動できたかもしれない。
尤もこの洞窟は余り資源は見当たらないし、通路が狭くて仲間にした動物を連れて帰れそうもないから一緒に来なくて正解だったろうけれど……残る二つの洞窟が広い場所ならば共に攻略するのもいいかもしれない。
【今回名前が出た動物】
ダイアウルフ(狼)
バリオニクス(ワニ)
ベールゼブフォ(カエル)
ダエオドン(豚)
ケツァルコアトルス(ケツァ君)
【今回登場した洞窟】
UpperSouthCave(群衆の洞窟)
PC版ARK、いつの間にか群衆の洞窟をまたバリオニクスで最初から最後まで行って帰って来れるようになってました。
モンボが出たおかげだろうけれど……なのでこの物語中でも出入りできる方向で書いて行きます……なので少し内容がいびつになるかも……。