ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第219話

五百二十八頁目

 

 俺の言葉に皆も乗り気になったようだ……オウ・ホウさんは元兵士として軍事力を高めることの重要性を理解していてくれた。

 マァもまた戦力と仲間が増えるのは賛成のようであり、メアリーに関してはそんな強大な生き物の子供を育てることを夢見ているように見えた。

 だからこそ珍しく全員で赴こうという話になり、早速その為の支度が始まった。

 

 まず産まれそうな卵を一時アルケンAに託して死にはしないが孵化もしない程度に温めておいてもらい、また他の子達にはそれぞれに餌を与えておく。

 次にあれだけの巨体ともなると麻酔の通りも悪いかもしれないから設計図から作った弓を持つオウ・ホウさんと俺が使っていた洞窟で拾ったクロスボウを渡したマァには麻痺矢を大量に持たせ、同じく洞窟で拾った高品質のライフルを持っているフローラと新しく作ったライフルを持つ俺が麻酔弾を大量に持った。

 更には空から狙い撃つから安全だろうけれど、逃げられたりしたときのことや万が一にも誰かが落下してしまった時のことを考えて、念のために捕獲用の罠を作れるだけの材料も持っていくことにした。

 

 あれだけの巨体だと岩でも砕けてしまいそうだからと、わざわざ金属の土台と壁にスロープを持ち出して、それをあの恐竜の近くに仕掛けていつも通り落とし罠風に仕立て上げて、そこに誘い出して嵌めてから改めて麻酔を叩き込もうというのだ。

 これで準備は万端だと思うが、更にフローラは残りの資材もケツァ君に詰め込んでおき、不足があれば向こうで作るとまで言ってくれた。

 ……こうして後方支援に徹してくれるフローラは本当に頼りになる……もうこの島に来た直後の、泣いてばかりいた面影は全く残っていない。

 

 むしろ俺の方が助けられっぱなしだ……最初に会った時からずっと精神的にも、そして今は生活面でも……。

 だからこそせめて身の安全だけは俺が確保してあげたい……オウ・ホウさんやマァ達が捕まえて来た動物ではなく俺のこの手で……その為にもあの恐竜は是非とも俺の手で従えさせてやりたいものだ。

 そんな覚悟を秘めながら、俺達は早速あの超巨大な肉食が居る東の先にある山へ向けて飛び立った。

 

 追記

 

 フローラはずっと慎重だった……だけど見落としが一つだけ……あんなの気付けるはずがない。

 ずっとそんなことはなかったから……あそこまですればもう大丈夫だってみんな思い込んでた……だけど尤もこの島に長くいる俺だけは気づくべきだったんだ。

 この島で油断は許されない……この島の主は、間違いなく……悪意の塊なのだから。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケンA)
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)



次話以降、描写が重くなる予定です。
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