ARK とある青年の日誌   作:車馬超

223 / 1041
【衝撃展開につき注意】


第223話

五百三十五頁目

 

 今ちょうど俺が空の上から日記を書いている目の前で、フローラがあの超巨大な肉食……余りにも大きいから仲間の誰かが呟いたギガントと言う言葉からギガちゃんと名付けた奴に乗って地上をうろつき回っている。

 そして楽しそうに指示を出して周りの草食を倒して回っているが、その強さはまさに想像通り圧倒的だった。

 確かに多少弱まっている節はあるけれど、それでもこの勢いならばティラノが服数匹掛かってきても……いやそれどころか特殊個体のティラノですら単独で討ち果たせるだろう。

 

 ただ唯一気になるのは、攻撃を喰らうたびに何かを堪えるような仕草をすること……痛みに敏感なのだろうか。

 特にステゴに似たとげの生えている奴を攻撃するたびにそのとげが身体に刺さるのか、どうも段々動きが鈍くなってきている気がする。

 だから一旦傷を回復させようとフローラに呼びかけると、ちょうど目の前にいる最後の群れを倒したら戻るという……何でも先ほど大量に麻酔を使ったから、それを補充するためにも腐った肉ひいては生肉が欲しいのだという。

 

 確かにあのギガちゃんを仲間にするた            

 

 

五百三十六頁目

 

 

五百三十七頁目

 

 

五百三十八頁目

 

 

五百三十九頁目

 

 

五百四十頁目

 

 

五百四十一頁目

 

 

五百四十二頁目

 

 

五百四十三頁目

 

 ふろーらごめんごめんよおれがばかだったおれがおろかだったなんでおれがいきてきみがしんでなんできみがおれがしねばいいのにおれのいのちとひきかえでいいからいきかえってこんなこうせきだけじゃやだきみのえがおがみたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたいあいたい

 

追記

 

 フローラがしんでからすうじつたって気がまぎれるかと思って書けっておうほうさんにいわれてかいたけどよんだらきもちがよみがえってくるああちくしょうなんでおれがしななかったなんでおれがそばにいなかったなんであのときさしだしたてをとれなかったなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……

 

五百四十四頁目

 

 ようやく一通り読み終えた……後は死ぬだけだ。

 だけどその前に、何が起きたのかぐらい書いておかないと……ひょっとしたらこの日記を他の人も読むかもしれない。

 もう他人何かどうでもいいって思いたくなるけど、ロックウェル氏を始めとした方々の日記には凄く助けらえた。

 

 あれが無かったらフローラとのひと時とはいえ幸せな時間もなかったかもしれない……だから俺も先達に従い、胸の痛みを押さえて書こうと思う。

 どうせこれが書き終われば念のために最後までこの日記を……早いうちに藁と繊維を束ねて作ったメモ用紙の束を確認して終わりだ。

 抜けたページが他のところに紛れているかもしれないから……まあ仮にそうだとしてもほんの数枚の差だ。

 

 話がずれまくったけれど本題に入ろうと思う……あの後、何が起きたのかを……。

 尤も簡単な話だ、あの化け物は簡単に野生が抜け落ちたりしなかった……いや巨大な怒りを胸に秘めているというべきか……だから一度に勢いよく傷をつけられると、暴走する。

 俺達は予想もしてないかった……フローラも流石に予想できなかったに違いない……今まで仲間にした後に俺達に敵意を向けて害をなしてくる奴なんかいなかったから。

 あの化け物は急に血走った目で何もかもに憎しみを向けて壊して回り……俺達は愚か背中に乗っていたフローラの命令すら聞かず……それどころかフローラを強引に地面へと叩き落とすと、その痛みで声も出せないほどに悶えているフローラを……必死に空に向けて……俺に向けて手を伸ばした彼女を……容赦なく踏み潰…………。

 

 ……しばらくしてそいつが正気に戻った時、残っていたのは彼女の左手首についていた鉱石だけだった。

 彼女の綺麗な髪も魅力的な顔も可愛らしい身体も……俺の愛した精神すらそこには残っていなかった。

 俺は彼女を守り切れなかった……あれだけ何度も絶対にと決意したはずのことを……世界で一番大切な存在を……守り切れなかった。

 

 だからもう俺には生きる気力も何も残っていない……トライブを組んだ仲間達には悪いけれど、彼女を失った世界に俺は生きる意味を見いだせない。

 元々フローラに出会えなかったら俺はもっと前に自殺していたはずだから……それがただ元に戻るだけだ……だから皆、気にしないでくれ。

 悪いのは全て俺なんだ……本当にごめん……そして……さようなら……。

 

五百四十三頁目

 

 

五百四十四頁目

 

 

五百四十五頁目

 

 

五百四十六頁目

 

 

*****

 

 

???頁目

 

 

 ふふ、ついにバレちゃったね……ここまで日記が続くなんて、ちょっとびっくり。

 それとも何かの拍子で見ちゃったとか……それともひょっとして何か理由があって誰か違う人が拾ってるのかな?

 もしそうならあの人も私も……まさかどっちかだけが……なんてことはないと良いけど。

 

 えっと、ちなみに日記を読んでる貴方はこれを書いている私が誰か気付いているよね……気づかないわけないよね、フローラだよ。

 ちょっと直接告白するのが恥ずかしいことがあって、あの人に内緒で秘密のうちに書いておいたの。

 あのね、そこに私がいるならちゃんとこの先を読んでいいよって許可を貰ってから読んでね……。

 

 実はね……日記の途中に抜けているページがあったの、覚えてる?

 具体的には198~200頁なんだけど……ごめんなさい、あれね私がとったの……。

 あの時は動転してたから気持ちを落ち着かせようと思って書いたんだけど、あんまり内容が……恥ずかしかったから……。

 

 それでその千切った頁の隠し場所なんだけど……赤いオベリスクの傍に拠点を作ったのを覚えてる?

 まあこれを読んでるのがあの人で忘れちゃったって言うなら怒るけどね。

 だってあそこは私たちが初めて共同作業を始めた場所なんだもん、それを忘れたりしたら許さないんだから……なんてね。

 

 それよりもしも……無いとは思うけど、この日記を読んでいるのが違う人なら……ごめんなさい、とても見られたら恥ずかしい内容なので……建物が残ってたらそれごと処分してください。

 

追記

 

 フローラ……ああ、フローラの文字……フローラ……まさかこんな形で君の残したものにお目に掛かれるなんて……。

 だけどごめん、そのまさかなんだ……俺が君を守り切れなくて……ごめん……俺が馬鹿だったから……だけど安心して……もう二度と君を一人にしない……すぐに俺がそっちに行くから。

 だけどその前に、君が残した日記の断片……確認してちゃんと処分しておくから……フローラ……会いたいよ……寂しいんだ……こんな冷たい鉱石だけじゃ何も感じ取れない……耐えられないんだ……だからこれが終わり次第すぐにでも君の後を……。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス(超巨大な肉食、ギガちゃん、化け物)
ティラノサウルス
ステゴサウルス
ケントロサウルス(とげの生えた草食)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。