五百五十頁目
一日一日が過ぎるたびにフローラがどれだけ凄かったのかを感じてしまう。
彼女が一日で準備してくれていた物資の確保がどれだけ大変な事か……朝一で野菜の面倒を見て回収して冷蔵庫に仕舞い、その際に腐った肉も回収して麻酔を大量に生成する。
もちろんそれを麻酔矢や麻酔弾に変えることも忘れず、また定期的に工業炉へ素材を入れて回収することも行わなければならない。
その上で俺達が使う武器や防具、弾薬に住居やら設備なども作っていたのだ……彼女が半日ほどで終わらせていた作業を俺は朝起きてから眠るまでずっと動き続けてやっとこなせるのだ。
恐らくはクラフト製造にかかる時間の差が大きな違いになっているのだろうけれど、それを含めても彼女の手際の良さには感服してしまう。
この調子では準備が整った後も俺は何か行動する際は、前日に一日かけて準備する必要が出てきそうだ。
五百五十一頁目
今日も粛々と作業しているところに今回はオウ・ホウさんがやってきて、洞窟の攻略について相談してきた。
既に一人でやるつもりになっている俺は軽くごまかそうとしたけれど、流石に彼はメアリーやマァと違って簡単にはいかなかった。
むしろ俺の決意をある程度理解しているようで、やりたいことを邪魔するつもりはないが道中で協力できることもあるはずだと訴えてくる。
その上で自分も洞窟を攻略したいが知識が足りな過ぎてどうしようもないからと、あえて俺に助力を求める形で話しかけられては無視するわけにもいかなかった。
だから制作したばかりのスキューバセットを見せて、次に俺は深海を探索するつもりだと告げて……同時に酸素ボンベを実際に吸わせながら、これを利用すれば毒ガス洞窟が攻略可能になるかもと伝えた。
果たしてオウ・ホウさんは使った素材を提供するから自分にも分けてほしいと言ってきて……今までお世話になったことを思えば、やっぱり邪険にすることはできなかった。
……多分これも俺の資源調達に手を貸すための口実なのだろう……相変わらずこの人には敵わないな。
五百五十二頁目
渡したばかりのスキューバセットを持って早速毒ガス洞窟の下見へと出かけたオウ・ホウさん……しかしあの洞窟に一人で挑むのは危険すぎる気がする。
だから仕方なく俺は酸素ボンベを含めたセットをもう二つほど作り、一つをマァに渡してついて行ってあげるように頼んでおいた。
そして残りの一つは俺が手元に保持しておいて、ケツァ君に乗って移動を始めた。
向かう先は前に攻略したマグマの洞窟前……そこに残していた動物の中にいる最後のカエルが目的だった。
これから俺は海中を探索するが、水中が得意そうな生き物はカメとワニ、それとこのカエルぐらいしかいない。
もちろん一番戦力となりそうな巨大なワニは護衛として追従させるが、それでも背中に乗る動物としてカエルを選んだ理由としてはフローラが残してくれた高品質サドルの存在だった。
前に洞窟へ残してきたカエルから回収したこれを装着させればすぐにでも海中に潜ることができるし、防御力も普通のサドルよりずっと高い……騎乗している生き物に何かあれば海中という身動きの取れない場所では致命的になることを思えば、防御力の高い生き物に乗ったほうが俺の生存率も高まると判断したのだ。
最後にスキューバに着替えて出かける支度を終えた俺は右手の鉱石に微笑みかける……未知の環境へ進出してくるよ、見守っていてくれフローラ……。
【今回名前が出た動物】
ケツァルコアトルス(ケツァ君)
ベールゼブフォ(カエル)
サルコスクス(巨大ワニ)