ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第231話

五百六十頁目

 

 早速サメ達を引き連れて深海へ向けて泳ぎ始めるが、やはりというか野生の時と変わらず移動速度は他の生き物に比べると遥かに遅い。

 一応全速力を出させればまだマシだけれど、それだとスタミナをすぐに使い切ってしまう……かといって通常時の移動速度はスキューバセットで足ヒレを付けただけの俺より遅いのだ。

 他の子達の動きに成れてしまったために余計にこの遅さが欠点に感じられるが、逆にそれ以外の点は完璧と言って良かった。

 

 かなりの重量を持って移動できるし、攻撃は鋭い歯で噛みつくことで相手を簡単に出血させられる……おまけに仲間と協力し合うことで更に攻撃の威力は増して相手からの攻撃も上手くいなせるようになり結果的に防御力も跳ね上がっているように見える。

 おかげでもはやまばらに泳いでいる野生のサメでは敵にすらならず瞬殺することが出来てしまう……これなら深海にどんな化け物が待ち構えて居ようと少なくとも俺が逃げる時間ぐらいは稼げそうだ。

 ただ念のため足の速いワニだけは俺の傍から離れないよう指示を出してついてこさせながら、残りを草食島に残してきた俺は、サメ七匹と共にどんどん海の底を目指して潜っていく。

 

 するとあちこちにチカチカと弱々しい輝きが見えてきて、海中に光があることを不思議に思った……ところでかつて目撃したクラゲの存在を思い出した。

 ……あの凄まじい電撃は果たしてサメでも耐えられるかどうか……というかそれ以前に背中に乗っている俺が直接ダメージを受けそうだから絶対に近づかないようにしなければ……。

 

五百六十一頁目

 

 少し警戒して水中で仄かに輝く光から距離を取ろうとしたが、向こうがサメより早い速度でこちらに近づいてくるのが分かった。

 一瞬身構えたがよく考えてみればフヨフヨと浮かんでいるだけのクラゲがあんなに早く移動できるはずがないと気づき、水中眼鏡越しに目を凝らして光の根源を観察してみた。

 果たしてその光を放つ生き物はクラゲなどではなく……色々と有名なチョウチンアンコウのような生き物だと分かった。

 

 何かの本で読んだ形そのままで顔の前に光源を浮かべている姿はどこか間抜けに見える。

 しかしそれ以上に今の俺からすると、あの発光現象のエネルギー源が気になって仕方がない。

 だからサメに命令して倒させると、その死体を解体して見ると思った通り不思議な性質のジェルのようなものが手に入ったではないか。

 

 水中では詳しい性能は試せそうにないが間違いなく新素材だ……どうやら深海まで進出した甲斐はあったようだ。

 何に使えるかはわからないが、とにかく当面はこのアンコウから取れるジェルをどんどん集めて行こう。




【今回名前が出た動物】

メガロドン(サメ)
サルコクスク(巨大ワニ)
クニダリア(クラゲ)
アンコウ(チョウチンアンコウ)
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