ARK とある青年の日誌   作:車馬超

234 / 1041
第234話

五百六十六頁目

 

 深海から浅瀬へ向かって戻ろうとしたのは良いが、サメ達の遅さのせいで中々危険地帯を抜け出せずにいた。

 そのせいで新たに姿を現した首長竜に気付かれてしまうと、あっさり追いつかれそうになってしまう。

 もちろんこいつ一体ぐらいなら何とでもなるが、もし戦っている最中にあの巨大イカやモササウルスが現れたらシャレにならない。

 

 しかしかといって移動速度はあちらの方が遥かに上なようで、サメ達を急がせても逃げ切るのは難しそう……と思ったら唐突に俺達を追いかけるのを止めて深海へと戻って行った。

 一体これはどうしたことなのだろうか……またイカのような危険な生き物でも迫ってきているのを感知して逃げ出したのか、或いは別の理由か……。

 流石に今の時点ではわからないが、検証しに戻る気にもなれない……とにかく好都合だからこの場は良しとしよう。

 

 次にもっと万全に護衛を固めた時に、改めて調べてみるのもいいかもしれない。

 ……何なら安全が確保出来たらあいつらも仲間に加えてみるのも……だけど余り危険で獰猛な奴を仲間に加えるのは……また暴走でもされたりしたら……フローラ……やっぱり君に会いたいよ……。

 

五百六十七頁目

 

 完全に浮上し終えるとちょうど太陽が沈みかけているところで、もうじき夕方に成ろうかという時間だった。

 どうやら予想以上に深海探索を夢中で行ってしまっていたようだ……考えてみれば海中で完全に日が暮れたりしたら道に迷って大変なことになってしまう。

 水中を探索する場合は朝一から昼間に掛けてにしたほうが良さそうだ。

 

 だから今日のところはもう水中での活動を打ち切ることにして地図……は水に濡れて駄目になりそうだから置いて来てあるため、コンパスと緑のオベリスクで自分の位置を参照しつつ、ケツァ君の待つマグマの流れる洞窟の近くへと移動した。

 果たして上手くたどり着けたところで、早速ケツァ君に乗り換えてその場を立ち去ろうとして……海中からこちらを見つめて来るサメ達とワニの視線に気づいた。

 陸上を移動できるワニは前に洞窟前へ作った拠点に匿えば問題はないが、水中にいるサメ達はどうやって野生の生き物から身を守ったものか……いや護身自体はできるだろうけれど下手に野生の生き物と争っている間に遠くへ行かれると非常に困る。

 

 こんな狭い島でも囲うように存在する海は意外と広くて深い……そこに散って行ったサメ達を探し出すのはかなり困難だ。

 かといって水門か何かを作って囲おうにも、水中建築など今までしたことも無いからどうすればいいか分からない。

 ……きっとフローラが居ればこれもうまくこなしてくれたことだろう……本当に俺はあの子にいろんな面で頼りきりだったようだ。

 

 彼女のことが思い出されて寂しさに囚われそうになるが、いつまでもこんな情けないことでは復讐など成し遂げられそうにない……もっとしっかりしなければ……。

 まあそれはともかくとして、サメ達はどうするべきか……いっその事バラバラになった後でも、何か集合する目的地のようなものでも与えられれば良さそうだが……。




【今回名前が出た動物】

メガロドン(サメ)
プレシオサウルス(首長竜)
トゥソテウティス(巨イカ)
モササウルス
ケツァルコアトルス(ケツァ君)
サルコクスク(ワニ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。