五百七十頁目
朝起きてなお二人の体調は治っていなかった。
どうやら本当に俺の掛かっていた病気とは違うようだ……本人たち曰く、治る気配が全くないという。
尤も悪化する様子もないようでちゃんと栄養さえ取っていれば命に別状はなさそうだというが、このままでは俺達に移さないためにこの場所から動けなくなってしまう。
いや、それどころか下手したら俺達に迷惑をかけないため何処かへ失踪しかねない……もうこれ以上仲間……親しい人を失うのはごめんだ。
何とかして治療する方法を見つけないとと思い必死に左手の鉱石を見つめて見るが、前の時と同じでまだ見ぬ未知の素材が必要なのか上手く思い浮かばない。
どうすればいいのか焦る俺だったが、そこでメアリーが必死に手を引いてきてユニコーンの角を煎じて飲ませたらどうかと告げてきた。
何でも彼女の国に伝わる話でユニコーンの角には解毒作用があると聞いているからだそうだが、現代に生きる俺としては生き物の角にそんな効能があるとはとても思えなかった。
しかしこの島の生き物ならば或いはと思ったところで不意に右手の鉱石が淡く光った……ように見えたかと思うと、唐突に病気も治せる解毒薬の作り方が思いついた。
麻酔薬にフローラへプレゼントしたあの珍しい花とビーバーの巣から手に入れた不思議なキノコと……そして前にこの辺りで見かけた毛深いサイの角を煎じた物を混ぜれば行けるはずだっ!!
五百七十一頁目
メアリーに薬を作りに行くと告げて二人のことを任せた俺は、すぐにアルケンAに乗るとこの拠点に待機させているモコモコな肉食と角の生えている奴を引き連れて移動を開始した。
今回の目的はあくまでも素材の確保であり捕獲ではないため、戦力と小回りの利く個体を優先したのだ。
そしてすぐに移動を開始したが見つかるのはゴリラの様な歩き方をするシマウマに似た生き物や、いつも見ている豚と狼の群れにそれと戦うマンモスばかりだった。
しかしそんな奴らに構っている暇はないと思い更に索敵範囲を広げようとするが、途中で寄りにも寄って角の生えている肉食の特殊個体と鉢合わせしてしまう。
他の奴らはこの辺り一帯での食物連鎖の頂点に立っているうちの肉食達に喧嘩を売ってきたりはしなかったが、こいつは問答無用とばかりにこちらへ殺意を振りまいたまま襲い掛かってきた。
その足の速さはただでさえラプトルより早い普通の個体より遥かに素早く、空に飛べる俺とアルケンAはともかく他の地上を進んでいる四体は逃げきれそうになく、戦闘は避けようもなかった。
【今回名前が出た動物】
ユニコーン
カストロイデス(ビーバー)
ケブカサイ(毛深いサイ)
アルゲンダビス(アルケンA)
ユウティラヌス(モコモコの肉食)
カルノタウルス(角の生えた肉食)
カリコテリウム(ゴリラみたいな歩き方をするシマウマに似ている奴)
ダエオドン(豚)
ダイアウルフ(狼)
マンモス
αカルノタウルス(角の生えている奴の特殊個体)