ARK とある青年の日誌   作:車馬超

240 / 1041
第240話

五百七十五頁目

 

 少し冷静になると右手が疼くのは体調不良の兆候……すなわち、俺も病気に掛かっている可能性があるのではないかと思えてきて、それを口実にメアリーにあの二人のことは任せて彼女から距離を取った。

 ……決してフローラの嫉妬というか怨念……愛情が怖かったわけではないのだけれど、メアリーと離れた途端に収まってくる辺り……もう考えるのは止めておこう……怖いから……。

 それよりも考えるべきことは他にも山ほどあるのだ。

 

 深海に挑むための準備に残りの洞窟の探索法、またこの島の環境に負けないための戦力の確保……一人でやる分には幾ら時間があっても足りないのだ

 もちろん仲間の力を借りれるのならばかなり効率的にやれるだろうけれど……仮にそうするにしてもフローラが居なくなった今、作業効率が異様に落ちるのは否めない。

 何よりこれから先、この島の環境を克服することやあのオウ・ホウさんですら攻略のきっかけが掴めないでいる豪雪地帯の洞窟を何とかするためには……もっと人手が必要かもしれない。

 

 だけど俺は……そう言えば新しい人間はやってきていないのだろうか?

 俺が引きこもっている間はオウ・ホウさんが定期的に様子を見に行ってくれていたようだけれど、今のところ来ている気配はないらしい。

 結構放置しているはずなのだが……俺も一度様子見に行った方が良いかもしれない。

 

 尤もあの二人が元気になるまでこの場所を動くわけにはいかないのだが……とにかく工業炉に行って後回しにしていたインゴットを回収し、色々と作って行こうと思う。

 

五百七十六頁目

 

 やるべきことは多いが、この場所から動かずにできることは限られている。

 そして今現在の目的としては海底探索がある……だから俺はそのための準備を行うことにした。

 簡単に言えばサメ軍団を確保するために必要な麻酔矢と水中で酸素切れにならないための予備タンクの製造だ。

 

 他にも何かできることがあればいいのだが逆に海中で役に立ちそうな道具が余り思い浮かばない。

 使える武器だって限られているだろうし、防具だって水に濡れても平気な装備となればスキューバ以外は考えずらい。

 だからせっかく材料は潤沢にあるのにそんなことしかできなくて、少し困っているとお腹が減ってきた。

 

 考えてみれば朝一であの二人の様子を見に行って、またその為に狩りへ行って戻ってくるまでの間、何も口にしていなかった。

 だから食事を取ろうと冷蔵庫を開けてみて、そこに何種類かの料理が保存されているのに気が付いた。

 ……最近はメアリーがフローラの残したレシピ通りに料理を作っているから味に違いはないけれど……この中のどれがにフローラの作った手料理が残っているだろうか?

 

 そんなことを考えながら一つ一つの料理を手に取って眺めている中で、ふとあることを思い出した。

 ……そう言えばロックウェル氏の特殊な効果のある料理のレシピをいくつか手に入れていたではないか。

 そしてフローラが作った畑から取れる野菜を使って少しずつ作り貯めていたはず……あの中には水中での活動が楽になるものがあったような……。




【今回名前が出た動物】

メガロドン(サメ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。