ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第243話

五百八十一頁目

 

 まずはメアリーだが、ついに最初の頃に産まれたアルケー君やティラノ、それに成長の早いドードーの子供達が成長しきったようだ。

 どの子も野生の個体と見間違わんばかりの立派な体格をしているが、実際に背中へ乗ってみると育ったばかりだというのに他の個体より少しだけ強靭そうに感じる……のは一から育てた欲目なのだろうか?

 尤も俺は殆ど面倒を見ていなかったのだが……最初はフローラが面倒を見ていたし彼女が亡くなった後はメアリーに預けっぱなしだった。

 

 更にメアリー曰く、俺が一人で行動している間に何度か洞窟を探し回っていたオウ・ホウさんとマァに頼んで俺達が各地に作った基地を巡ってもらい卵を回収してそれも育てていたのだという。

 おかげで第二、第三のティラノの子供まで生まれてきて育てている状態なのだという。

 そして最後に少しだけ言いずらそう二しながらも、あの超巨大な肉食も……運ぶ手段がないから仲間にしたあの場所で餌だけ与えて放置してあるそうだが、かなり元気そうなのだという。

 

 ……やはりあいつのことを思うと胸が痛むのと同時にどす黒い感情がわき上がりそうになるが必死に割り切ろうとする。

 とにかくあいつもいるし、ティラノもどんどん増えていく……この調子ならば普通に暮らす分には安全が確保できそうだというメアリーだが……そう思い込むわけにはいかないだろう。

 あの怪獣と見間違わんばかりの草食もいることだし、何より停滞を許さないシステムがある以上は安心するわけにはいかない。

 

 何かもっと、圧倒的な力が……どんな生き物が攻め寄せても撃退できるようなそんな力が欲しい。

 この島が放つ悪意を一方的に粉砕できる力が……その為にはこの島の管理人がお膳立てした動物では駄目だ……あいつらの計算を狂わせるだけの何かが……力が欲しい……。

 

五百八十二頁目

 

 頭の中でより強い力を手に入れる方法を考えつつ、メアリーがこれからもティラノを増やしていくという発言には頷いておいた。

 そして更に……言いずらそうにはしていたが、あの超巨大な肉食も番で揃えられたらと呟いたのにも頷いて見せた。

 確かに戦力は多ければ多い方が良いのは事実だ……そしてあいつがこの島の陸上生物の中で間違いなく一番か二番に強いのも……ならば俺のくだらない感傷など無視して増やしておいた方が良い。

 

 するとそれを聞いていたマァが自分がやると言い出した……何でも洞窟探索は仲間にしたい動物も見つからない上に狭くジメジメしていてもう行きたくないらしい。

 どうやら最初に入ったのがあの仲間になりそうもない虫だらけの洞窟だったのが悪かったようだ……思えば俺も最初にあの洞窟に入ってトラウマになりかけてた。

 しかし幾ら何でもあの超巨大な肉食だけは一人で捕獲するのは危険すぎる……だからもしも見つけたら真っ先に俺達の誰かに報告するよう強く言い含めておくことにした。

 

 あいつのせいでまた仲間の誰かを失うことになったら、今度こそ俺は感情を押さえられなくなってしまう……。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケー君)
ティラノサウルス
ドードー
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
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