五百八十三頁目
毒ガス洞窟の話題がでたことで、次にオウ・ホウさんからあの洞窟についての説明が始まった。
まず洞窟内に満ちている毒ガスについてだが、これは予想通り酸素ボンベである程度緩和できたらしい。
しかし何でも皮膚からも毒がしみ込んでくるのか、全身を覆えるスキューバセットを着込まなければ完全に防ぐことはできなかったという。
まさかそこまで厄介な毒だったとは驚きだ……しかしあんなスキューバセットでは水中ならともかく、陸上では動きずらいだろうし何より防御力に難がありそうだ。
そう考えるとやはり別の方法を探すべきではと思ったが、何とオウ・ホウさん達曰くあのギリー装備でも似たような効果を得られることを見つけ出していた。
たまたまだが入ってすぐにマァがスキューバの窮屈さを嫌って野生児時代の衣服に似ているギリーへと着替えて……だけど毒の息苦しさから頭周りだけスキューバにして組み合わせてみたのだそうだ。
するとそれで平然とし始めたので、オウ・ホウさんも試しに同じように合わせてみると毒の影響を一切受けなくなったのだという。
……確かにあれを着ていると空気に清涼感があって、暑さ対策にもなっていたけれどそんな効果まであったとは驚きだ。
尤も全身ギリー装備ではやはり駄目みたいだけれど……とにかく本当のガスマスクでも作れない限りは、それで防具面は妥協するしかなさそうだ。
まああの洞窟にいるのは虫がメインのようだから十分だとは思うけれど……それより問題は病気とやらの方だ。
毒に続いて治りの悪い病気を媒介する奴までいるなんて、どうやらあの洞窟は環境を克服できるかを重視しているようだ。
ちなみに今回オウ・ホウさんは下見のつもりだったようで連れて行ったのは前の洞窟を攻略したカエルと狼だけだったようだ……あのいつも洞窟攻略に重宝している身体の細長いワニも今回ばかりは最初の方にある狭くうねる通路を越えることができなかったらしい。
それでもカエルは無数に襲ってくるトンボやアリを片っ端から倒してセメントへ変えてくれて、他の奴らはオウ・ホウさんと狼で駆逐することが可能だったという。
だからと前に俺達が引き返したところを越えて奥に進んだところで水たまりのある少し広い空間があり、しかもその水たまりの中に青く光るカプセルがあったのだという。
狼に乗っていたマァはそれを初めて見るということもあってか、興奮した様子でオウ・ホウさんが止める間も無く水たまりに入って行き、カプセルを開こうと動物から降りた……ところで無数のヒルに群がられてしまったのだという。
それで興奮状態になったマァが慌てて水から上がってきたが、すぐに咳き込み始めて力がぬけてきたのを見てオウ・ホウさんはすぐに吸い付いているヒルを外してやったそうだ。
しかしそれでもマァの体調は完治せず、仕方なく動物を連れて引き返したのだが途中でオウ・ホウさんも感染して……とここまで語ったところで彼は改めて薬を持ってきてくれたことに感謝を述べてくるのだった。
頭を下げるオウ・ホウさんに大したことはしてないと返しつつ、俺は冷静にその洞窟の情報を整理してどう攻略するべきか考えるのだった。
【今回名前が出た動物】
ベールゼブフォ(カエル)
ダイアウルフ(狼)
バリオニクス(身体の細長いワニ)
メガネウラ(トンボ)
ティタノミルマ(アリ)
ヒル