五百九十九頁目
左手首の鉱石を眺めながら考えてみると、あっさりと防虫剤の作り方を思いつくことができた。
そしてその為の材料も揃っている……フローラの育ててくれていたレモンに人参、そこに麻酔薬と……動物の匂いでごまかす為なのか毛皮を化学作業台で混ぜ合わせれば上手く行けそうだ。
だから一通り解毒薬を作り終えたところで、次に防虫剤の量産に入ったが……実際に出来上がったこの薬がどれだけの効果を発揮するか少し疑問だった。
まあ正直なところ気休め程度のつもりで作ったのだけれど、わざわざこの鉱石が作り方を教えてくれた以上はそれなりの効果が期待できそうではある。
しかし下手に過信し過ぎては思わぬ事態に発展しかねないし、事前に何かで試しておきたいところだけれど……それこそ手ごろな洞窟かがあれば……。
そこまで考えたところで、この豪雪地帯の拠点の真下にはしゃがまないと入れない洞窟があったことを思い出した。
あそこなら大きな生き物も出てこないし、俺が一人で攻略できたぐらいだから上手くやれば虫よけの効果を確認するのに最適かもしれない。
六百頁目
ある程度、防虫剤を作ったところで動物の運搬をしていたオウ・ホウさんも戻ってきた。
彼にも事情を説明して一緒にすぐ近くにある洞窟で防虫剤の効果を試そうと提案すると喜んで引き受けてくれた。
だから二人で作ったばかりの防虫剤を飲み……何とも言い難い味に顔をしかめつつも最後まで飲み干した。
そしてその状態でアルケー君とアルケンAに乗って洞窟のところまで向かい、今回は内部に詳しい俺が先行してしゃがみながら入っていく。
果たして前に入った時と同じように狭い道を潜り抜けるとすぐに立ち上がれる程度の広間にぶつかり、そこから幾つもの道が分かれている。
迷わないよう自分たちが出てきた出入り口に松明を落とし、改めて武器を手にして……どうやって進もうか少し悩む。
アーティファクトがある場所はわかっているが、もう既に手に入れている以上はわざわざ回収する必要は……そう言えば一度回収したアーティファクトはどうなるのだろうか?
前にロックウェル氏も集めていたことを思えば、恐らく回収後にまた他の素材と同じ様に湧いているのだろうけれど……ひょっとしてそのたびにアーティファクトが湧く場所や種類が変わったりするのだろうか?
……無いとは思いたいが、もしもアーティファクトを無くしたり再度回収する必要が出てきた時のためにも確認しておいた方が良いのかもしれない。
【今回名前が出た動物】
アルゲンダヴィス(アルケー君・アルケンA)