ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第253話

六百一頁目

 

 アーティファクトがどうなっているのかも確認するため、右側の壁越しに進んでいったところ前と同じように蜘蛛と蝙蝠が出迎えて来た。

 ……そう言えばこの洞窟に生息しているのは昆虫だけではなかった……蜘蛛ならともかく、蝙蝠には防虫剤の効果があるとはとても思えない。

 それでも蜘蛛に効果が有るのかどうかと、効果が有ったとして蝙蝠が反応した場合にどんな行動をとるのかを確認しようとオウ・ホウさんと二人でゆっくりと近づいていく。

 

 しかし不思議なことに幾ら近づいても蜘蛛は愚か蝙蝠すら反応を示さない。

 何度かはこっちに振り返っているぐらいだから気づいていないということはなさそうなのだけれど……ひょっとしてこの防虫剤は蝙蝠にも効果があるのだろうか?

 少し信じがたいが実際にゆっくりと刺激しないようにしながらだが手を伸ばせば届くほどの距離に近づいてなお向こうはこちらへ敵意を見せなかった。

 

 まさかこんなに防虫剤の効果が凄いとは予想以上だ……もっと早く作っておけば他の洞窟攻略もかなり楽だったかもしれない。

 まあ後悔しても仕方が無いし今後の洞窟攻略には役立つだろうから今の時点で気付けて良かったと思うべきだろう。

 何せ今までの洞窟の中で蜘蛛や蝙蝠の出てこない洞窟はなかったのだ……きっと残りの洞窟も似たような生き物ばかりのはずなのだから。

 

 ただもう一つ豪雪地帯にある洞窟だけはオウ・ホウさんの話からすると全く違う生き物ばかりのようで役に立たなそうだけれど……まさか残りの洞窟全てが生物分布が違ってたりする訳が……ま、まさかね……。

 

六百二頁目

 

 防虫剤の性能を大体理解することはできたが、他にも効果時間とこの状況でどうなれば敵対状態になるのかを調べておこうとオウ・ホウさんは言い出した。

 確かにそこは確認しておかないと致命的なミスに発展しかねない……だから色々と試してみることにした。

 まずは攻撃してみた場合にどうなるかだが、これは当たり前だが戦闘に発展した。

 

 そして一匹が攻撃し始めるとその攻撃が他の生き物に当たるせいなのかは分からないが、連動して他の奴らも一斉に襲い掛かってくるようだ。

 尤もこの洞窟に関しては俺一人でも攻略できたぐらいで、まして今はオウ・ホウさんと一緒なのだから負けるはずもなくあっさりと蹴散らすことができた。

 それはともかく次に洞窟内をうろつき、たまたま一匹だけ孤立していた蝙蝠を見つけたのでどこまで近づけるか試してみることにした。

 

 ……確かこいつも病気を媒介するはずだけれど攻撃されても防具さえ壊されなければ問題ないはずだし、ヒルとは違う病気で時間経過で治るものだ。

 だからそこまで深刻には考えず……だけど油断することなく慎重に蝙蝠へと近づいて行った。

 すると今回もまた至近距離まで近づいても反応は殆どなかったが、更に手を伸ばして触れようとすると流石に反応を示して……口元を近づけてきた。

 

 慌てて跳び下がり武器を構えると向こうもまた驚いた様子を見せながらも、明確にこちらへ敵意を向けて襲い掛かってきた。

 どうやら流石に直接触れるほど近づいてしまうと反応されてしまうようだ。

 しかし敵対したのはこちらが驚いたからそれにびっくりしたせいのような……まあそれでも近くに居続けたら気づかれて攻撃してくるだろうけれど……その前に餌を与えてみたらひょっとしてそのまま仲間だと勘違いしてくれないだろうか?




【今回名前が出た動物】


オニコニクテリス(蝙蝠)
アラネオモーフス(蜘蛛・ゲームオリジナル生物)
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