ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第256話

六百八頁目

 

 理由は分からないがどうやらアーティファクトは同じ種類のものを複数持つことはできないようだ。

 その証拠に前の分を持っている俺が幾ら手を伸ばしても弾かれるばかりだったのに、オウ・ホウさんが試してみたらすんなりとその手の中に納まったのだ。

 別の種類のアーティファクトならば問題なく持てるのだけれど何故なのか……と少し考えたところで今回の道中に敵が殆どいなかったことを思い出した。

 

 先ほど出入りしたときに敵を駆逐して再び湧き出す前に俺達が再度入って行ったからだろうけれど、これを利用すれば複数のアーティファクトを簡単に入手できてしまうことに気が付く。

 つまり洞窟を攻略して敵を駆逐しつくした後で、即座に入り直して敵が湧く前にアーティファクトのある部屋まで往復しまくればいいのだ。

 まあできるかどうかは洞窟の長さにもよるけれど、大抵の洞窟は途中の道が入り組んでいるだけでアーティファクトのある部屋自体はそう遠くない。

 

 恐らくはそれを利用して無限にアーティファクトを回収されるのを防ぐためのやり方なのだろう……尤も入り口付近に収納棚でも作ってそこに回収した奴を片っ端から入れておけば問題なく出来そうだけれど……。

 まあその場合も拠点に持ち帰れるのは一人につき一つなのは変わらないから残りはここに置いていくことになるし、そうなれば野生の生き物に棚ごと壊されてしまったり……今はまだあり得ないけれどいずれはやって来るかもしれない別の人達に奪われたりするかもしれない。

 そのために外に棚を作って収めておく分には問題がないのかもしれない……全ては俺の想像だけれど……。

 

 とにかく俺達からしてみれば今の段階でこれ以上、同じアーティファクトを集めても仕方がない。

 だからとりあえずは二週目で終わらせておくことにした……かったけれど肝心の防虫剤の効果時間を確認しきれていないことに気付き、俺達はこの後も何往復もする羽目になってしまった。

 

六百九頁目

 

 驚くべきことに日が暮れて夕日も沈もうかという時間になってなお、防虫剤の効果が切れることはなかった。

 どうやら最低でも数時間以上……或いは二桁時間ぐらい持つのかもしれない。

 とにかく詳細な効果時間は分からなかったが、これなら洞窟攻略に使うには十分すぎると判断した俺達は……何より余り暗くなりすぎる状態で外での活動を続けるのは危険なので一旦拠点へと戻ることにした。

 

 そして改めて明日挑む毒ガス洞窟について相談しようとして……またしても慌てた様子のメアリーに呼び止められてしまう。

 何やらここの所、ここへやってくるたびにこれだ……何やらデジャブを感じてしまうが、これもフローラが居なくなったがためのトラブルなのかもしれない。

 頭の片隅でそんなことを思いながら何があったか事情を聞いてみるが、何やら支離滅裂でよくわからない。

 

 それでも彼女の口から漏れる単語を繋ぎ合わせて事態を把握しようとして……マァが大怪我を負って大変だと聞いたら血の気が引いてしまい、冷静さも抜きに慌てて彼女に手を引かれるまま部屋の奥へと向かった。

 冗談じゃない、もう二度と仲間を失うのはごめんだっ!!




【これまでに回収したアーティファクト】

 群衆のアーティファクト
 大物のアーティファクト
 天帝のアーティファクト×3
 暴食のアーティファクト
 賢者のアーティファクト
 狩人のアーティファクト
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