ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第26話

八十七頁目

 

 やはり真っ暗闇に包まれる夜中は恐ろしい、否が応でもやる気を取り戻す……というか拗ねている暇などないのだと思い知らされる。

 とは言ってもまだまだ暗くてやれることも少ない、だから暇つぶしに何があったのか思い返しておこう。

 あの日、筏に乗って出発した俺は海の中を泳ぐ無数の生き物を目撃した。

 

 デカすぎる鮫、多分メガロドンという奴に妙に発光しているクラゲ……また川で見た魚も当たり前のように泳いでいた。

 やはり何かおかしいと思いながら進んでいた時、そいつは襲ってきた。

 鯨としか表現できないサイズの巨大すぎる魚、そいつは何故か執拗に筏めがけて突進してきたのだ。

 

 他のメガロドンとかは全く筏を気にしていなかったのに、こいつだけは身体が傷付くのも構わず筏に恨みでもあるかのように何度も何度もその巨体を叩きつけてきた。

 軽く槍で付いてみたけどびくともしないそいつから必死で逃げようと、入ってこれなそうな浅瀬を目指して進んで……あと一歩というところで筏は粉砕された。

 当然乗っていた資材も全て海の底……ただその鯨は何故か海に落ちた俺には興味がないようで破片を攻撃すべく深海へと消えて行った。

 

 代わりに今度は今まで関心を示さなかったメガロドンが襲い掛かろうとしたが、ぎりぎりで浅瀬に逃げ込んだことで逃げ切ることには成功し命は繋いだが……やはりまたしても何もかも失ったことが余りにも重く俺の心に圧し掛かっていた。

 やはり拠点は陸地に作るべきだ、もう二度と移動拠点など作るものか。

 

八十八頁

 

 とりあえず朝を迎えた俺は何もかもをやり直すべく、この場所に拠点を作ることにした。

 本当は近くに赤い光を放つ件の建造物が見えているし、何より筏で出発した小島も僅かに見えてもいる。

 だけれどそこに行くまでには海を渡るか、建造物を回り込むように森の中を歩いていく必要がある。

 

 しかし海には先ほど襲ってきたメガロドンたちがうようよ居るし、陸路沿いにしてもあの建造物に辿り着くまでに出会ったラプトルやワニ……それにあの角のある肉食などが襲ってきたらそれこそお終いだ。

 だから最低限の支度が出来るまではこの場所でやりくりしなければいけない。

 また一から木々を切り、岩を砕き……動物も居ないから物凄く効率が悪い。

 

 どうにかしてまた仲間も増やしていきたいところだ……何か方法を考えてみよう。

 

八十九頁目

 

 木材を利用した簡易拠点を作り、内部にまた製錬炉を置いて鉄を焼き始めた。

 しかしここでとれる金属鉱石の量はたかが知れていて、これで武装を整えるのは難しいだろう。

 やはりここは先に仲間を増やすべきだ、できれば護衛と足を兼用できる生き物がいい。

 

 それには気絶させる方法を考えなければ……またパチンコを作ろうかとも思ったがこれがなかなか難しい。

 皮が無ければ柔軟な部分がどうしても制作できないのだ、しかし生き物を倒して手に入れてきた皮は全て海の底だ。

 新しく何かを倒して手に入れる必要がある、しかし周りを見回しても倒せそうな奴は……居た。

 

 元の拠点でトロちゃんと名付けて飼っていた奴だ。

 こいつは手渡しでも餌を食べさせれば仲間になってくれるけれど、身体が小さくて背中に乗れないし素材も集められない……おまけにモソちゃんのように生きた盾代わりに使うのも難しいだろう。

 少し躊躇は有ったけれど、生きるためなのだ……許してくれ。




【今回登場した動物】

メガロドン
クニダリア(妙に発光しているクラゲ)
シーラカンス(川に居た魚)
セイバートゥース・サーモン(川に居た魚)
リードシクティス(鯨)
ユタラプトル
サルコスクス(ワニ)
カプロスクス(ワニ)
カルノタウルス(角のある肉食)
リストロサウルス(トロちゃんと同種の生き物)
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