ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第261話

六百十八頁目

 

 話し合いを続けた結果、最終的に妥協案とも言うべき判断が下された。

 つまり洞窟探索自体は続けるけれど、メアリーの言う通り過剰ともいえるぐらいの軍団でもってとにかく慎重に進むようにとの話になった。

 具体的には各洞窟の前にも牧場を作り……毒ガス洞窟ならばそこに入れるカエルや狼などを無数に確保し、そいつらの物量でもってある程度の範囲を安全に確保しようというのだ。

 

 その上で俺が思いついたばかりの案……本来なら狭いところに阻まれるはずの動物を小さいうちに内部で育て上げて洞窟の攻略に利用しようというのだ。

 毒ガス洞窟の場合は虫に特別強いナマケモノを……そして豪雪地帯にあるもう一つの強敵だらけの洞窟に関しては、潜り抜けた先は広大だというからティラノ辺りを連れ込もうという話になっている。

 尤も豪雪地帯の洞窟に関しては人ですらしゃがまないと入れないぐらいだから、最初に安全を確保する際は人力で行わないといけないかもしれないが……そこはまあ後で考えることに使用。

 

 とにかく絶対に危険な状況に陥らないように注意すると再三約束することで、ようやくメアリーは俺達の洞窟探索を……それでも不安そうにしながらも最後には仲間の意見を尊重しようというのか頷いてくれた。

 ……しかしこうなると準備にまだまだ時間が掛ってしまいそうだ……けど俺ももう仲間を失いたくはないし、あんな気持ちを味わいたくはない……だからこれでよかったのだろう。

 

六百十九頁目

 

 話し合いが終わったところでいつも通り本日の予定を決めて、各々行動に移り始めた。

 マァは海中の攻略のためにサメを中心とした仲間集めを行い、オウ・ホウさんは毒ガス洞窟の攻略のために必要なカエルと狼の繁殖……だけでは時間が掛り過ぎるために野生個体をできる限り捕まえてくるという。

 そして俺は麻酔矢や繁殖小屋などの皆が必要とする物を作るためのクラフトに専念することにした。

 

 メアリーもまた動物の世話をしつつ手が空いたら俺のクラフトを手伝ってくれるという……フローラのやっていた仕事を俺一人でやりきるのは大変だろうと協力を申し出てくれたのだ。

 ……それ自体は物凄くありがたいのだけれど、実際にオウ・ホウさんとマァが出かけて拠点に二人きりになると何やら妙に密着するというか寄り添ってくる。

 恐らくあの二人を見送った際にも何か言いたげな目を向けていたから、またどちらかが……あるいは両方が体調を崩して帰ってくるのではと不安で仕方がないのだろう。

 

 だから残っている俺に頼るというか、あの二人は無理してないかとか大丈夫かと事あるごとに尋ねて来て……人の温もりを感じて安心するために寄り添ってきているようだ。

 その気持ち自体は分かるしこうして頼られていることも……彼女があの二人を気にかけていることも含めて仲間として皆を想ってくれているからだと分かるから嫌な気はしないのだが……何というか、彼女の胸部が触れそうになるたびに右手首が……鉱石がぁぁ……。

 フローラぁ……俺は絶対浮気なんかしないから……本当に勘弁してくれよぉ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけどこうして右手首の鉱石が疼くたびに君を感じられる気がするよ……だから物凄く痛いけれどむしろどこか心待ちにしている自分も……と、とか思ってたら急に痛みが増したようなっ!?

 べ、別に痛みそのものが気持ちいいわけじゃないからぁっ!!




【今回名前が出た動物】

ベールゼブフォ(カエル)
ダイアウルフ(狼)
メガテリウム(ナマケモノ)
メガロドン(サメ)
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