六百二十二頁目
メアリーの説教は非常に長引いてしまい、その間にオウ・ホウさんもマァも戻ってきてしまった。
そんな二人だが今回はどちらも無事そのもので、誰もトラブルを起こすことなく帰ってきたことでメアリーも少しは気持ちが治まったようだ。
それでももう二度と約束を破るでないと強く俺に言い含めて、ようやく説教の時間は終わりを告げた。
代わりに夕食を取りつつお互いの成果を報告し合う話し合いが始まったが、どうやら俺を含めて皆も順調に事が運んでいるようだ。
マァはサメを新たに十匹以上仲間にして、更にアンコウを何匹かと……仲間にしそびれたアンコウのジェルがたまたま流れて行った先にいたエイも一匹仲間に出来たと自慢そうに語ってきた。
まさかアンコウのジェルを食べる生き物がいたとは驚きだ……しかも眠らせずに食べさせることで仲間に出来る奴がイルカ以外にも居たとは思わなかった。
ひょっとしたらあのエイも温厚なのかもしれない……まあでも何かの話でエイの尻尾には毒のとげがあるとか何とか聞いた覚えがあるから、あんまり不用意に近づくのは止めておこう。
それはともかく戦力としてはかなり揃ってきているように感じたが、海中洞窟の攻略にはまだまだ足りないだろう。
実際に洞窟の洗礼を受けて帰ってきたマァは特にそう感じているらしくて、明日からもしばらくは海中の生き物を仲間にして回るつもりのようだ。
次いでオウ・ホウさんの報告を聞いたがこちらもまた狼を十五匹ほど仲間にして、この拠点に連れて帰ってきて待機させてあるのだという。
一日でこれだけ集められるのは凄すぎる気がしたが、オウ・ホウさん曰く、狼は群れで動くから数を集めるのは楽だったそうだ。
ただ本当は十匹仲間にした時点で切り上げて、ケツァ君で一気に毒ガス洞窟前まで運搬する気で居たのだが俺が乗って行ってしまったために今日のところは集めるほうを優先したのだという。
だから明日はもう少しだけ数を集めたらケツァ君で運搬したいというオウ・ホウさんに、俺も今日完成させた動物の牧場というか住居について説明した。
そこに連れて行って放し飼いにしておけば勝手に繁殖もして数は増えていくだろう……何せ狼は卵生ではなくて胎生で、直接子供が産まれ落ちてくるのだから温度の調整などを気に掛ける必要はないのだ。
尤もそう教えてくれたのは実際に子供のお世話をしていたメアリーで、最後に彼女はまた新しく生まれた動物の子供の話と成長しきった子供について報告してくれる。
皆が無事ということもあって彼女の顔には微笑みが浮かんでいて……俺達もまた久しぶりに穏やかな気持ちになったような気がした。
……フローラが居なくなってから初めてかもしれない、こんな風に和気あいあいと食事をとるのは……だけどやっぱり君がいないとどこか物足りない気がするよ。
【今回名前が出た動物】
メガロドン(サメ)
アンコウ
マンタ(エイ)
ダイアウルフ(狼)
ケツァルコアトルス(ケツァ君)