六百三十一頁目
俺の提案を二人は受け入れてくれて、早速前に捕獲したときのことを参考にした準備を始めていく。
つまり俺とメアリーで協力して落とし穴風の建物を作るための金属の土台と壁を作って行き、それをオウ・ホウさんが拠点から少し離れていて丁度あの超巨大な肉食の進行進路になる場所に設置していく。
あいつでも金属を壊せない以上はここにさえ落とし込んでしまえばとりあえずは安全だし、その後でゆっくりと麻酔を打ち込めば危なげなく仲間に出来るはずだ。
……そうあくまでも油断さえしなければ危険などなかったのだ……むしろ仲間にした後こそ注意を……今更か。
やはりどうしても感傷的になってしまうが、それは俺だけではないようだ。
メアリーもオウ・ホウさんも作業中、最低限の言葉しか発せずほとんど無言で行動していたぐらいだ。
尤もオウ・ホウさんの場合は、万が一にも罠の設置が間に合わなかった際にどうやって防衛するか……或いはどう犠牲を出さずマァに連絡をとりつつ逃走するのかについて悩んでいた面もあったかもしれない。
それでも俺とメアリーの二人掛かりで全力でクラフト作業したおかげで……フローラが居なくなってからメアリーもクラフト作業にちからを入れていて手際が良くなっていたこともあり、何とか必要な建造物の部材は揃えることが出来た。
まあ代わりに金属のインゴットやらセメントやら……貯め込んでいた素材をかなり使ってしまったが、こればっかりは仕方ないだろう。
六百三十二頁目
ここからは俺もオウ・ホウさんの作業に加わり落とし穴風の建物の組み立てに協力することにした。
メアリーも協力しようと言ってくれたが、この豪雪地帯には危険な生き物が多すぎるからそこでの組み立て作業は彼女には難しいだろう。
そう判断した俺達は代わりに彼女へ万が一に備えて、重要な物資と動物達を連れて山肌の拠点への避難を頼んだ。
最初こそ厄介払いされるとでも思ったのか……もしくは俺達が危険な行動をしている間、一人になるのが心細いからか首を縦に振ってくれなかったメアリーだが、どのみち襲撃システムが動き出した以上は引っ越ししなければいけないことを説明するとようやく納得してくれた。
ただ何度も不安そうにこちらを見て来て……マァが合流次第すぐにでも俺達も引っ越すようにと……捕獲作業は全員が揃った昼間じゃないと駄目だと強く言い含めて来る。
それにはっきりと頷いて見せると今度こそメアリーは引っ越し作業に掛かり始めて……残された俺達は改めて豪雪地帯の一角にあの超巨大な肉食を捕獲するための建物を作り始めた。
もちろん邪魔になる野生の肉食共を排除しつつだ……他の場所と違ってすぐにでも狼が群れで湧いてくるから厄介極まりない。
だからこちらでは二人で分業して……あのモフモフの肉食とカルちゃんの同種を連れてオウ・ホウさんが敵の排除に専念して、その間に俺が建物をくみ上げていく形になった。
……多分間に合わないことはないだろうけれど、万が一にもあの集落を……フローラの残した建物を壊させるわけにはいかない……最悪はあの超巨大な肉食をどうにかして倒す方法も考えておかなければ……。
【今回名前が出た動物】
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
ユウティラヌス(モフモフの肉食)
カルノタウルス(カルちゃんの同種)