六百三十三頁目
作業を続けながらあの肉食を倒す方法を考えて見たが……まず真っ当な方法での討伐は諦めた。
ただでさえあの巨体からくる攻撃はシャレにならない威力があるのに、おまけに歯が鋭すぎて噛みつかれて受ける出血の影響が強すぎるのだ。
だから恐らく幾ら数で攻めてもあっさりと……それこそ前後から攻めてもサイズの差のせいでまとめて噛みつかれて殺されかねない。
しかし逆に言えば攻撃さえ喰らわなければ……安全なところから一方的に攻撃できればいずれは倒すこともできるはずだ。
そう考えた時に真っ先に思いついた方法は、あいつが手出しできないケツァ君の背中から皆で弓矢なり重火器などでハチの巣にすることだった。
これなら矢や弾薬の消耗さえ気にしなければ確実に討伐できるだろう……尤もそのためには今までの様な単発式の銃ではなくて連射できるライフルなりガトリングなりが欲しいところだ。
果たして思いつくか心配だったがその系統の武器について考えながら左手首の鉱石を見つめていると、いつも通りアサルトライフルと単座式のガトリング砲の作り方がわかってきた。
これをケツァ君の背中に乗せておけば……そう思いながらふと右手首の鉱石にも視線を投げかけてみるとまた淡く光り輝いた気がして……もう一つとある物の作り方が思い浮かんだ。
それは自動で敵を見定めて打ち抜く電動の機械……オートタレットとでもいうべき代物だった。
俺達の時代にはまだ実験段階であろうこんな兵器の作り方すら簡単に思い浮かぶとは……やはりこの島を作り上げた存在のテクノロジーは計り知れない。
それはともかくこれを拠点に並べておけば弾薬のある限り確実に敵から身を守れる気がする……それこそ襲撃だってよほどの規模でない限りは……いやそれだってオートタレットの数次第で幾らでも追い返せそうだ。
まあ現実的には弾薬の補充が間に合わないだろうけれど……俺達の身を案じてフローラが教えてくれたのだろうから、ありがたく採用させてもらおう。
尤も今すぐにというわけにはいかないが……何せそんなことを考えながらも身体を動かしていたおかげで、捕獲用の罠の設置が間に合ったからだ。
排除よりは捕獲して仲間にする方を優先した方が良いに決まっているのだから……俺達の感情面はともかくとしてだ……。
後はどうやってあいつをここに誘い込んで嵌め込むのかを考えるだけだ。
もちろん前と同じように空から攻撃を加えてここまで誘導するのが最善だろうけれど、肝心のケツァ君はメアリーが乗って行ってしまっている。
それに作業中にかなり時間が過ぎてしまった……このまま彼女が危惧していた通り夜中になってしまったら、闇の中で動くのは流石に危険すぎる。
やはりマァが戻って来次第、今日のところは別の拠点へ移動するのが良さそうだ。
【今回名前が出た動物】
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)