六百三十四頁目
捕獲用の罠が完成した時点で俺とオウ・ホウさんは二手に分かれて行動することにした。
マァへの伝言の為に俺が拠点で待機している間、オウ・ホウさんはあの超巨大な肉食の動きを観察しに行くのだ。
何せあいつだけは警戒してもし足りないぐらい危険なのだから、その動きは把握しておかないと……最悪は帰り道を急ぐマァが襲われかねないのだから。
念のためにオウ・ホウさんがどの場所から観察するのかを決めて置き、どちらかがマァと合流次第もう片方の居る場所へ向かうよう約束してから別れたが……正直、すれ違いにならないか少しだけ不安だった。
何せこんな風に待ち合わせしたことなんかなかったから……かつてはそれこそ携帯電話で直接連絡を取り合っていたのだ。
だからあらかじめ決めてあった場所で落ち合うなど上手く行くのかどうか……本当に携帯電話とは言わないが連絡を取り合える手段が欲しいところだ。
しかし離れた場所で連絡し合う手段なんか……いわゆる無線通信する道具なんか俺に作れるのだろうか?
尤も電化製品自体は作れているから不可能ではないはずだけれど……そう思いつつ左手首の鉱石を眺めてみると、実際に無線機を作れそうな気になってくる。
必要な素材も金属のインゴットに水晶と発火粉を利用すれば問題なさそうだ……これもまた時間がある時に作っておきたいものだ。
……フローラの居る時に作っておけばいつでも会話ができたのにな……全く本当に俺は色々と気づくのが遅すぎる。
六百三十五頁目
誰もいない豪雪地帯の拠点に戻った俺は静けさに包み込まれていた。
何せ仲間達は元より、室内で育てている動物の子供達までもが居なくなっているのだから当然なのだが……妙に寂しいような気持ちになる。
だからまた反射的に右手首の鉱石を撫でてしまい……そのたびに仄かな輝きを放ってくれてまるで温もりが伝わってくる気がした。
おかげで少しだけ寂しさが紛れたような気がした……尤もそんな感傷に囚われている暇はないのが……。
クラフトするべきものは沢山あるのだから、マァと合流するまでの間に作っておくべきなのだ。
先ほど思いついた無線機やオートタレット……それに使用する金属のインゴットだってこの場を離れる以上、今のうちに工業炉に仕込んでおくべきだろう。
これから先、管理者に挑む上で素材も資材も設備も道具も……何もかも沢山必要になるだろうから……今から少しずつでも備えておかなければ……。
【今回名前が出た動物】
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)