ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第271話

六百三十六頁目

 

 俺が無線機を一セット完成させたところで、タイミングよくマァは戻ってきた。

 どうも帰路があの超巨大な肉食の居る場所と微妙にずれて居たようで全く事情を分かっていない風な彼にあいつが迫っていることを説明して離れようと言った……ところでマァは捕まえようと主張してきた。

 早く強い仲間を増やしておきたいと片言で熱心に語るマァ……一体どうしてここまで情熱を燃やしているのか不思議に思ったが、ぽつりと早く強くなる、犠牲減ると漏らしたのを聞いてしまう。

 

 ……やはりマァもフローラを失ったことがショックだったようだ……そしてもう二度と仲間を失わないために強い護衛として動物を求めていたようだ。

 そんな彼だが俺が改めて危険性を伝えた上 で日が昇ってから捕まえると説明すると、ようやく理解してくれたようでこくりと頷いてくれた。

 これで後はオウ・ホウさんと合流してメアリーの待っている山肌の拠点に移動すればいいだけだ……上手く出会えればいいのだけれど……。

 

六百三十七頁目

 

 俺の危惧も他所に当初話し合った通りの場所でオウ・ホウさんと合流することができた。

 青いオベリスクのある山の斜面でお互いの無事な様子に喜びつつ、少し下がったところであらゆる生き物を木々ごと粉砕していく超巨大な肉食を改めて観察する。

 狼や豚を歯牙にも掛けず粉砕し死肉にありつこうと高度を下げたアルケン君の同種を瞬殺して、更にはマンモスすら簡単にかみ殺していくあいつ。

 

 ……巨大なことで有名なマンモスですらあいつと比べると子供か何かにしか見えない……やはりあいつは色々と規格外すぎる。

 マァの言う通りあいつを仲間にして増やせばよほどの事態でない限り安全は保障される……と言い切れないのがこの島の厄介なところだ。

 まあそれでも思いつく限りの対策を練っていくしかない……もう二度と仲間を失うのはごめんだ……それは皆が共通して感じていることなのだから。

 

六百三十八頁目

 

 マップのほぼ中央にある山肌に作った拠点へと移動した俺達は、やはり不安そうに夜空を見上げていたメアリーに迎え入れられた。

 彼女は無事な様子の俺達を見て安堵したように胸を撫でおろすと、既に用意してあったらしい夕食を振る舞ってくれる。

 それらを住居スペースの中で食べ始めたが……元々、フローラと二人で暮らすように作ってあるから四人もいるとかなり狭く感じられて仕方がなかった。

 

 何せ今までは豪雪地帯に作った集落もどきの広々とした場所で……またたまの襲撃に備えて移り住んでいた南の海岸にある元メアリーの居城もどきも大きく作られていたからこんなことを感じることはなかったのだ。

 だから本当は南の海岸まで移動すべきだったのかもしれないけれど、北の外れである豪雪地帯から南の端であるメアリーの居城まではちょっと距離があり過ぎるために、ちょうど中間にあるこの場所を選んだのだ。

 多分これからも丁度マップ的に見てもこの島のほぼ中心にあるこの拠点はまた色々と利用することになりそうだ。

 

 そう考えると皆で暮らせるようにもっと広く改良を加えて……フローラが作ったこの拠点を……に手を加えたくないと思ってしまうのは俺のエゴだろうか。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
ダイアウルフ(狼)
ダエオドン(豚)
アルゲンダヴィス(アルケン君の同種)
マンモス
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