六百四十二頁目
マァの話を詳しく聞いてみると、何でもサメを捕獲していた際に眠りそうになって逃げていった個体を追いかけて深海の奥深くへ潜って行った際に見つけたのだという。
尤も入り口を見つけただけで中にまでは入っていないらしい。
流石に前の一件で、洞窟に一人で入るのは懲りたようだ。
それに何より洞窟の入り口が物凄く小さく、サメがギリギリ一匹通れるかどうかで集団を引き連れて入るのが難しそうだったのも理由の一つらしい。
しかし海中の洞窟で入り口が狭いとなると入れる生き物は陸上の時とは比べ物にならないほど限定されてしまいそうだ。
おまけに陸上の洞窟と違って内部に動物の子供を連れ込んで育てるやり方も、海中では防護柵で安全を確保するのも一苦労だろうから難しそうだ。
一体どうやって攻略するべきか少し悩んでしまうが、そんな俺に対してオウ・ホウさんはとりあえず内部を見てからでないと判断はできないと言う。
そしてサメが一匹は入れるのならば、自分がそれに乗って内部を軽く探索してこようというが……やはりメアリーは止めてほしそうにこちらを見つめていた。
だけど彼女には悪いが俺もオウ・ホウさんも洞窟の攻略だけは止める気にはなれない……ただ安全策だけはもう少し考えておくつもりだった……もう仲間を失うのは嫌だから。
六百四十三頁目
全員が一通り話し終えたところで自然と夕食はお開きとなり、後は眠る……までの間に色々とクラフト関連でやれることをしておくことにした。
特に明日の超巨大な肉食を捕獲する際に大量に使うであろう麻酔矢と麻酔弾の製造がメインであり、マァが動物に乗って黒い果実を集めて回り、それをメアリーが化学作業台で麻酔薬にして、オウ・ホウさんと俺がそれぞれ麻酔矢と麻酔弾を作る係になっている。
まあ麻酔弾の製造にはライフルの弾丸を利用する関係上、化学作業台で調合する火薬が必要不可欠なのだがそれをメアリーが使っている以上は……そしてフローラが残してくれていた火薬の貯蓄もそこまで多くないため余り大量に作ることはできなかった。
尤も高品質のライフルはフローラと共に……残っているのはやはりフローラが鉱石を見ながら作った普通のライフルだから、麻酔弾をそこまで動物の肉深くに埋め込むことはできない。
つまり麻酔の効果を強く発揮できないので、これならば高品質な弓やクロスボウから放つ麻酔矢の方が効率的かもしれないのでそっちに麻酔薬を割くという意味でも丁度良かったかもしれない。
だから麻酔矢の方を大量に作っておいて、そのついでに俺用に前に洞窟から持ち帰った弓の設計図を基に俺なりに高品質の弓を作ってみた。
しかしフローラ程上手には……と思ったところでまたしても右手首の鉱石が反応したように見えて……そうして完成した弓はオウ・ホウさんの使う弓矢に勝るとも劣らぬ出来栄えに仕上がってしまったではないか。
……フローラは未だに俺達に力を貸してくれるみたいだ……本当にありがたいことだ。
【今回名前が出た動物】
メガロドン(サメ)
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)